2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「これはエッグ・クッションというやつですね」「まぁ、ご存知なんですね!」 店員の説明を拝聴しつつ、覚え立ての横文字を言ってみたところ、思いがけなく誉められた照れ隠しに「ええ、まぁ」なんて間の抜けた返事をしながら頭を掻いている。 それもそのは…
一から十までつぶさに指示を出して課題なり何なりを達成させるということは、達成に至る別のプロセスや解法から目を背けさせることでもあるのです。そうなってくると「教えられる以外のこと」に対して可能な限り鈍感であることこそが、寧ろ「優等生」の条件…
学校の先生ごっこと称して、子供が教員と生徒役をかわりばんこに演じているのを見たことがあります。 そこでは決まって教員役の子供が「○○ちゃん、ちゃんとしなさい!」と檄を飛ばしていたり、「ここは、こう! 次にこうやって、こうしなさい!」と、普段言…
自分が欲しいものを人に贈る。 これは私が信条とするところのものである。まぁ、それが明らかな独りよがりにならない範囲であれば、たいがいは喜んでもらえるはずである、と自負している。 チャイルドシートを選定するにあたって、私がとるべき第三の道は、…
なるほど、ありとあらゆる機能をとりあえず満載させて、某のマークが付いていて、金額的にもそれなりのものを購入すれば、きっとこの一家のように素敵な幸せが訪れるであろう、というメッセージがビンビン伝わってくる。 だが、それってどうなのだろうか。こ…
希有なことが起こった。 チャイルドシートの型録をぺらぺらめくっていたところ、見慣れぬマークが付いている。何かのブランドというわけでもなく、最新式と紹介がなされたチャイルドシートには、ことごとくこの「ISO・・・」某に対応と表記がなされている。 …
ちょっと前に「転生モノ」と呼ばれるアニメのジャンルが流行りましたが、今はどうなのかしらん。例えば先の世で勇者だった人が、生まれ変わってやたらと強い平民になる・・・みたいなイフが夢想されるのは、アニメに限らず人間のサガなのやも知れません。 転生…
冬の風が吹く曇り日の公園には、ボールを投げる子供の姿もなく、犬を連れた人々の姿もない。 暖かな教室の内から往来を眺めやると、着ぶくれをした子供達がちらほらと帰ってくる様子が見える。ここは見晴らしがよいから、少し遠くの方を歩いていたって、「あ…
○手遅れになる前に 幼児のころにキャパシティを大きくしてやることとは、彼らの頭の中の作業台を大きくしてやることなのです。べつに幼児のうちに方程式が解けるようになれ、というのではなくて、飽くまで学習を受け容れる下地をつくることこそが「幼児教育…
○初動の失敗に学ぶ 自分の盆栽棚を眺めている時、いつまでもうだつの上がらない子供をみている時、私はいつも「ああ、初動が失敗しているなぁ。」という感慨を新たにしています。 盆栽における初動とは、他ならぬ「立ち上がり」というお話しは前回までのとこ…
自らの心のうちに移りゆくよしなしごとを、言葉という形にして、へらへらと喋ることができるようになると、子供だって談笑をはじめる。 学校は違えど教室では、はな垂れ小僧の時分から既に三年、四年の付き合い。横を通る度にチラリ、互いのプリントとその進…
○大きくなってからでは・・・ 剪った曲げたは盆栽の常であり、時には大胆に鉄棒なんかをあてがって大がかりな改作などが行われるわけですが、やはり「立ち上がり」となるとそうはいきません。 樹が最もよく太って硬くなる部分である「立ち上がり」は二年、三年…
○立ち上がりこそ 盆栽を観賞する際の重要な評価ポイントの一つが「立ち上がり」と呼ばれるものです。 その名の通り、表土から伸び上がって、最初の枝に至るまでの幹模様(幹の様子)を指して「立ち上がり」と呼ぶわけでありますが、ここに曲(ひと曲がり)がある…
このほど大学入試に「情報」という科目が課されるとのこと。私だったら百パー詰んでいた、と胸をなで下ろしておる次第でありますが、今の時代を生きる諸君は、きっとこの手のことにも強いだろうし、私のようにこうした科目を未履修で来たわけでもないでしょ…
初マグロを仲買人たちが威勢良く競り落としている。その手指の示す意味を、素人であるテレビのまえの私たちは一向に解すことが出来ない。 しかし、どうも私はそれを見たことがある。どこかでこんな、不思議でめまぐるしい手指のサインを見たことがあるのだ。…
〇変わるべきは子供? 近年は、スマートフォン、及びSNSに依存する子供の増加が問題になっているわけですが、現今の家庭「環境」を想像すればそんなのは最早必然のことと言えます。 もし子供をスマートフォン依存から立ち直らせたいのであれば、子供にか…
○「植え替え」に学べ 夏の暑さでヤケてしまった根っこ、新鮮な水を求めて鉢底から飛び出した根っこ、粒子が潰れて目詰まりをおこした土・・・植え替えを行う際には、こうして悪化した鉢環境を徹底的に改善する必要があります。 可能な限り古土を落とし、悪くな…
公文生であるかぎり、公文の宿題はどこまでもいつまでも付いてくる。何なら旅行先にだって付いてくるし、いい加減オトナになった私の前にも大量の宿題が運び込まれて来るわけで、私と宿題の戦いは形を変えつつ今もなお続いています。 かつて職員室の同僚に、…
「発達障害」とは各能力値(パラメーター)のアンバランスであると私は理解しています。健常児と呼ばれる子供より特化した部分もあれば、そうでない部分もある。それを知って、最善の策を講じるためにこそ診断はつくのであって、その子の教育はさらに質の良い…
自分の子供が「ちょっと周りに合わせられないようだ」「自分の手にはどうにも余ってしまう」という焦燥に駆られた親が、思い詰めた末にやってしまうのが「レッテル貼り」という現象であります。 どんな「レッテル」を貼るかと言えば、すぐさま大きな病院のさ…
「日に日に妻の腹は膨れてくる。」 いかにも近代文学が好きそうな一節であるが、オートマチックに膨れ上がってくる妻の腹を見つめる夫という存在は、だいたい戦々恐々としているものではあるまいか。 ちょっと前まで、何ほどの変化もなかった腹が「産休」で…
○与え「られる」環境 「鉢」の環境を整えるように、家庭環境を整えること。 それはまさに教育がはじまる前夜のことなのかもしれませんが、教育の仕事をしていて思い知らされるのは、その子供が生きる土壌の善し悪しであり、ここが根腐れしてしまっていては、…
普段は見せない一面を開陳する子供達が、ポイントを溜めたシール帳を握りしめて目を輝かせている。 お楽しみ会。いつからこんなにエスカレートしたのか分からないが、ただでさえ狭い教室に設えた交換所には、ポイント換算の値札が付いた大量の景品が並び、天…
○土と家庭 「自然状態」の「本来の姿」の子供なんてものが初めから存在しないように、もちろん「自然状態」の盆栽なんてものも存在しないのです。そんなのは、ただの樹であって盆栽ではないのだし、「狼少年」だって狼の規範と環境を与えられて育てられた子…
○よく似たふたり 盆栽が生きるのは鉢の中。 鉢に入れられた樹は、ほしいままに根を伸ばすことも出来なければ、それによってぐんぐん一人で伸び出すこともままならず、ちょっと陽気が好ければ、いつだって水切れの危機と隣り合わせの状態です。鉢に入っている…
互いにベクトルの違う「ゆかしいもの」は、いつかどこかの地点において不意に落ち合うのではないか、というのが私のぼんやりとした実感であります。 たとえ性質の異なる別個の趣味であれ、学問であれ、雑多な読書であれ、それを一個の人間が「ゆかしい」「な…
汽水の川が海に注ぐあたり。 幾つもの川を横切って、平野を抜けて、小さな峠を二つ三つ抜けて、ようやくここまで来た。 実に三年ぶりである。かつての写真と見比べると、父の頭には白髪が増えて、祖母の座高はちょこなんと低くなった。毎年来ていた海端の宿…
比較的穏やかな天候とともに、二〇二三年がスタートしましたね。 除雪作業なく年内の教室を終えられたことは、たいへん嬉しいかぎりでした。この調子でそっちの労力を指導の方へもバシバシ注いでいきたいところです。 生徒のみなさんは、どんなお正月を過ご…
「共通テスト」の国語で顕著なのは、二つの文章や添付されている図表を比較するというものです。以前は現古漢文を合わせて四つ、それぞれ二十分以内に読み込めば事足りたものが、しめて五つになったり、論説文にチャートが付いたり、果ては資料にまで目を通…
私はやっぱり「センター試験」と言ってしまうけれど、まぁ、大学入試センターがやってる試験なわけだから、ギリ間違ってはいないということでご容赦いただきたい。 それでもこの程の「共通テスト」というやつは「センター試験」と比べると、どうも毛色が違っ…