かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

定点観測

定点観測(45) 瞬間最大風速

教室始まって以来もっとも頻りな「お兄さん風」と「お姉さん風」が吹き荒れている。 今まで一人して座らされていたのが、今度の集会所教室では、デカい会議机に二人して座ることになったのが、おそらく事の発端なのだろう。 横をチラチラ、隣は何をする人な…

教育雑記帳(37) 英語のはじめ時 前編

このところ、小さい子にやたら英語の勉強をさせる風潮が出てきたのは、英語が小学校に降りてきたせいでありましょう。 国際競争力だか何だか知りませんが、私は国語も覚束ない子供にアルファベットを書かせたり、「ハウアーユー」「アイムファインセンキュー…

定点観測(44) ちょっと、社長!

チラッと見たら、椅子にふんぞり返っているヤツがある。 なぜあいつは、あんなにふんぞりかえっているんだ。とガンを飛ばす手前もまた、椅子にふんぞり返って腕組みなんかしているのは、あいつの椅子にも私の椅子にも立派な「背もたれ」がついたためにほかな…

定点観測(43) 抽象的で具体的な会話

カレンダー少年をはじめ、公文の算数を進めてきた子供達と数式を追いかけていると、段々会話が抽象的になっていく。 例えば分数が入った四則混合。 カッコの中を先に計算しながら、他の項において同時進行で通分の準備をしたり、約分のために仮分数に直して…

定点観測(42) 目指せ、重々しい男

『源氏』の「宇治十帖」の主人公である薫大将は、重苦しい感じの男として知られている。 しかし、ここにたいへん「軽々しい男」がある。 今日もヘンな間違いをしてからに、私から「お前さんねぇ・・・」と小言をいわれても、そこはオキマリの「ハイハーイ」であ…

定点観測(41) 成長の記録

今年もまた一枚、立派な「盾」を授与された子の写真を教室に飾る。 今度のはよく撮れている、表情が好い! なんて比較対象が出来るのは、その子の写真のこれが一枚目ではないためである。 常連ともなると二枚、三枚は当たり前。教科毎に盾は来るし、トロフィ…

定点観測(40) 泣く子は育つ!

この仕事をしていて、時々ハッとする。 泣いている子供を見ても「おお、泣いてるな。」くらいにしか思わない自分を発見して「オレという奴はそんな血も涙もない鬼畜野郎だったのか・・・。」という気分に苛まれる。 もちろん、何かこちらがイケズをしたり、無理…

定点観測(39) とはずがたり

さっきまで黙ってお勉強に集中していた子が、帰る間際になって語り出す。 一心に動かしていた鉛筆をピタっと止めて「あ、そう言えばさぁ」と、語りかけられることがある。 そんな感じで彼らが問わず語りに喋り出すのは、気持ちが上向くときと決まっている。 …

定点観測(38) 筆算が捗る男

苦節四ヶ月。教室がコロナ騒ぎで休みになっている間に「かけ算を忘れた男」が、ようやくかけ算の筆算に進んだ。 思いの外、復習に時間を要したのは、外ならぬ彼が宿題をほとんどして来ないためであるが、教室に来る度、かけ算のプリントとかけ算の表を諳んじ…

定点観測(37) ザ・情報開示請求

実に流暢に英語を読んでいるけれど、試みに訳を聞いてみると、思わぬところでつまづいてドギマギしている。 「carriage」、日本語で謂うところの「馬車」である。 さきほどまでお主は、シンデレラがこの「carriage」にて城へ参内したと英語で喋っておったわ…

定点観測(36) あいつはきっと来る

どんなことがあっても、週の決められた曜日には教室にやってくる、という子がある。 家も教室もぐッちゃぐちゃになるくらいに揺れた大地震の数日後、公文バックを提げてひょっこりあらわれた少年もあった。 何もなくてヒマだから来たのだ、と言う。とりもあ…

定点観測(35) アウェーでホトケ

検定試験にやってくる子供の顔を見るのが好きだ。 送ってきてもらった車を直立不動で見送って、試験会場となる公文の教室に、ロボットみたいな動きで入ってくる。 それが普段通っている教室ならまだマシなのだろうけれど、持ち回りで余所の教室ともなると、…

定点観測(34) DJとの夕べ third session

夕方にもなると、前の方の席を使う小さい子たちもまれになってくる。 処理済みの成績ファイルやら何やらを、私がそこに仮置きしてうずたかく盛り上げていると、きまってそこへやってくるのがDJである。 ニコニコしつつも、ちょいと申し訳なさそうな顔をし…

定点観測(33) ジャンポとジャンパ

ゼッタイわざとやっておるだろう、と採点しながら笑ってしまう。 「ジャンプ」と書くところが二つ宿題に出ていて、それぞれ「ジャンポ」「ジャンパ」だそうで、一度ならず二度までもの波状攻撃をされると、ついと採点机の上で吹いてしまう。これが年末ならば…

定点観測(32) 小さく書きたいお年頃

私の妻にもそんな時期があったそうだが、こういう仕事をしていると、やはり高学年くらいの女の子は一度そんな時期を通過するものなのか、と感じることがある。 もしかすると読者のみなさんはご経験があるだろうか。とにかく書く字を「小さくしたい!」と思っ…

定点観測(34) カレンダー少年と私

カレンダー少年は、今よりもっともっと幼少のみぎり、カレンダーによって数を知り、そこにある一定の規則性があることを発見したと言われている。 別に、これは誰かノーベル賞を取った人間の伝記でもなんでもないけれど、私の前に腰掛けたこの少年の数的感覚…

定点観測(33) うさ子の捜し物

開口一番、天を指さして「落ちてきたの」と言うから、何か神がかったことか、ラピュタ的なことかと当惑せざるを得ない。 まだ空は下しっぱなしの腹みたいに、どこかでごろごろ鳴っているけれど、窓の外にはようやく安らいだ夏の夕暮れが来ている。 北斎が描…

定点観測(32) 英検から帰った男

最早「借りてきた猫」とか言ってられなくなってしまった。 かつて漢検の受付で、やおら「ばあば」の話をはじめたり、話しかけるオトナたちの首を傾げさせ続けた挙げ句「ちょっと何いってるかワカンナイ」と言われ続けた彼が、この間の英検を期に、突如として…

定点観測(31) ふた皮むけ太郎

弟や妹が教室へ通い出すようになると、この間までへろへろしていたお兄ちゃんやお姉ちゃんが、妙にシャッキリし出すから面白い。 「ほら、ここで手を洗うんだぞ。」「それからここに名前と体温を書いて。」「ああ、もう、おれが書いとくから!」 なんて世話…

定点観測(30) Kちゃんのほっぺ

さっきまで国語のテストをしていたKちゃんが、鉛筆を置いて両方の指でほっぺをむぎゅーっとしている。 その傍らで妻が「ホラ、おじいさんが取られたのは?」とニコニコしながら聞き直すと、Kちゃんはタコみたくすぼまった口で「ほっぺ、ほっぺ!」と哀切な…

定点観測(29) 彼女と侍従

学習室の入り口で丁寧にご一礼をされてから、彼女が指定のお席へお座りになります。 本日彼女が学習されるのは白楽天の『重題 香爐峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁』でございますので、ご質問をされた際につつがなく返答申し上げられるよう、私も予め素…

定点観測(28) 消しゴム男爵の筆箱

教室にやってくる子供たちの姿を定点観測しております。今回は久しぶりのご登場、消しゴム男爵シリーズ第三弾です。

定点観測(27) あいわなアポウ

彼はとても真面目な男である。 中学に入っても毎日コンスタントに宿題をこなし、教室ではきちんと分からない箇所を質問し、その気づきを言語化して、そして納得して帰って行く。 そうした努力の甲斐があって、彼の数学は学年をこえて順調に進んでいるわけな…

定点観測(26) かけ算を忘れた男

教室にやってくる子供たちの様子を、スタッフ机から定点観測。 第27弾の今日は、宿題をほっぽらかした結果、たいへんなことになった少年のお話。

定点観測(25) ひと皮むけ太郎

教室に通ってくる子供たちの姿を日々定点観測しております。山あり谷あり、笑いあり、そうして成長していく彼らの姿をぜひご覧ください。

定点観測(24) 続・てろんてろん物語

不思議な事件が続いた。 教室のトイレから次々と備品がなくなるのである。 私も妻も教室を回すことに忙殺されているものだから、トイレは子供たちの性善説を信じてノーマークのまま、特段何事もなく平穏無事を保ってきたのに、こんなことになるとやりたくも…

定点観測(23) うさ子の大脱走

今日もうさ子が逃走を目論んでいる。 スキあらば幼児席を飛び出して、大人の尻と尻のあいだをかい潜って、自由への逃走がはじまる。 まぁ、彼女にとっては教室へ来ることも、座ってお勉強することも遊びの延長なのだから仕方がない。最近は心なしか目鼻立ち…

定点観測(22) てろんてろん物語

あすこをてろてろ歩いているのが、主人公の彼である。ランドセルの肩掛けが外れていて、上着が片肌脱ぎで、シャツがズボンからはみ出しているのが彼である。 いつも一人で歩いている。よく見るとちゃんとまっすぐ歩けていない。頼むから前を見て歩いてくれろ…