かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

盆・歳時記 其の一

 盆栽との付き合いをはじめてこの方、さまざまのことに気づかされている自分があることに気づかされる。盆栽との生活、またその折々の作業にふれて、つらつら思うことを書き留めたものをご紹介申し上げます。

 

盆栽棚 


 理想の棚は波平さんのそれである。こぢんまりして、一点一点の手入れが行き届いている。そんな棚が好い。イイなあ、と思うけれど中々どうしてそうならない。蒐集の虫が疼いたり、先輩たちに貰うがままに貰っているうちに、新たな棚の普請に乗り出す羽目になる。私の場合。
 愛好家の棚には、その人の人柄や調子が如実に反映される。几帳面なところもあるが、やはりズボラで面倒くさがりなところが露呈している。私の場合。

 

水やり


 盆栽との付き合いが長くなればなるほど、水やりが難しいとわかってくる。もちろん定時にかけてやるのを怠らないかぎり、そうそう枯れるなんてことはない。
 けれど、こだわりだすと本当にキリがない。仕事場の机の上で、今現在の鉢の中の根っこの乾き具合をイメージしている自分と出会う。水やりとはかくも観念的な作業だったかしらと我ながら不思議に思う時がある。

 

剪定


 作業台に樹をのっけて「お客さん、今日はどんなンにしましょうか?」ではいけない。こんな感じになったらイイな、ってのがないと行き当たりばったりの樹になってしまう。床屋帰りの父親を見て子供が泣く結果になる。
 人も樹も無くて七癖。生まれ持った性根は変えられぬし、いい加減大きくなってからでは聞く耳をもたない。そこのところを全て承知したうえで、樹と付き合い、相談する。愛好家とは意外に教育者なのである。

 

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