かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

私と公文式(1) 序

 まずは手前の私塾を紹介せねばならぬのに、なぜ公文式なのか。話せばまあそれなりに時間がかかるので、かいつまんで申せば、私が今も昔も公文式とずぶずぶの関係にあって、公文をして育ち、現在は「かたつむり学舎」を営みつつ、その外の時間で母と妻の経営するそれぞれの教室で働き居るわけで、つまるところ公文式学習は私の教育観に少なからざる影響を及ぼしていると言えるからなのです。
 正直なところ、公文式で鍛えられるような基礎学力なしに、駆け込みの受験対策やら、愚にもつかない定期テスト対策など、付け焼刃も甚だしい。それらをその場しのぎの対処療法とみるならば、公文式やわが「かたつむり学舎」の行っている指導は、後から後からじわじわと効いてくる漢方的な部類にはいるでしょう。さて勢い余った前置きはここまでにして、公文生もそうでない方も「私と公文式」ご一読いただければ幸いです。

其の一
 妻として公文式ほなみ教室を引き継いで二年、母の経営する寿町、あゆの里教室で採点・指導の手伝いをはじめてから十数年、はじめて公文教室の門をたたいた日から二十数年の月日が経ちました。なんだかんだで付かず離れず、悪く言えば腐れ縁、公文はいつも私の傍らにありつづけ、気が付けば生活の一部になっている始末です。
 日曜日の昼近い居間で私がぼおっとしていると、パソコンで教室だよりを打っていた妻がやおら「『私と公文式』なんてタイトルで、あなた何か書けばいいじゃん。」と、ドキッとするようなことを言うので、少なからず狼狽していたところ、昼飯を作るか『私と公文式』を書くかの二択を迫られたので、とりあえずつらつら思うことなどを書いてみる運びとなりました。
 五歳の私が通い始めた中新田の旧教室は、靴屋の裏の古い貸家の一番奥。今でこそ「え? ここㇲか?」となるのでしょうが、ワクワク感がいかなる補正をかけたものか、ボロいのにもそれなりのゆかしさを感じたことを覚えています。小学一年生で国語・算数に加えて英語をはじめてからも、小学校レベルの教材を修了してからも宿題は毎日三教科五枚ずつ。それが当たり前のものとしてありました。習慣というものはおそろしいものですね(笑)。とはいえ、公文をやらないことには、大好きなゲームが出来ないという大問題が存在したこともまた、私がせっせと公文式学習に勤しんだ要因のひとつでありました。

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