かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

私と公文式(6) 弟、くもんをはじめる

 下に無鉄砲なのがいる兄貴というのは得なものです。あっちがアホなことをしでかすと、こっちの立場は相対的に良くなる。ここまでやったら親が怒り出すというラインを見極めるにも、地雷原を勝手に走り回ってくれる弟の一挙手一投足は、私のよき一次資料となりえたものでした。
 そんな弟が中新田の旧教室に通い出したのは、兄のやっているのを何でもマネしたがった性分からで、「勉強がしたい」というよりかは、「くもんをしてみたい」の方が強かったのだと思います。そして教室でもこのお調子野郎の幼稚園児は、先生を相手にずっとヘラついている。いつぞやは出しぬけに「ボク、宇宙飛行士になるからさぁ」と始まったので、「じゃあ、私もいつか宇宙に連れていってくれない?」とわざわざ話にノッてくれた先生に対して、「イヤ、先生は宇宙服、似合わないから、ダメだ。連れていけないな。」。その場に居合わせた人々がみながらズッコケた瞬間でした。
 私は公文の宿題を後に残しておきたくないので、晩ごはんより前に決着をつけてしまうタイプでしたが、弟はそんな私とは正反対で、だいぶニガイ目にあって来たように思います。わが弟は学校から帰るなり、どこからそのインスピレーションを受けて来たのかは知らないが、日の暮れるまでへんてこな工作に励んだり、狂ったようにベイブレードを回し続けたり、おやつを食って爆睡してみたり、それこそドラえもんが「あとでたいへんなことになっても知らないよ」と匙を投げる、のび太君の文脈になるわけで。(次回、「弟、受難篇」につづく)

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