塾生心得 罪なケアレス 前編
ほんとは八十点台だったんですけど、ケアレスミスしちゃって･･･と、てへぺろな笑みを浮かべている生徒諸君、果たしてそのケアレスの発生原因について考えたことはあるでしょうか？
この仕事をしていて一つ気がついたのは、ケアレスミスは起こるべくして起こるということです。受験の本番が来れば治るものでも、気合いでどうにかなる類いのものでもないのが、ケアレスミスの厄介なところ。時間が解決してくれるものではない以上、きちんと対処しておかないと、いざという大一番で人生を変えかねない重大なミスにつながります。これは決して脅しで言っているのではなくて、そのてへぺろな笑顔の裏にある「まあ、次はダイジョウブでしょう！」精神に警告を発しているのです。
ケアレスミスはなぜ起こるのか。それはチェック力の甘さ、もっと言えば、自分で自分を正しく疑ってみる力の弱さにあります。間違ってならないのは、これが論理的な思考力に関わる問題であって、ゆめゆめ精神力いかんの問題ではないという点でしょう。「ちゃんと見直しをしなかった」のは気分的にそう「しなかった」からではなく、実のところ「ちゃんと」見直しをする能力が備わっていなかったからなのです。
ですから、ケアレスミスを根治するには、それなりの修行が必要となってくるのです。さあ、まずはそのステキな笑みをいったん片付けて、とっくり自分の見直しを「見直し」てみるところからはじめようではありませんか。(後編につづく)
