かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

軍隊学校之記(4) 目指せ! 大学!

 部活動? ええ、もちろん入っていましたとも。私もクラスの皆も、進学コースの全生徒が入学と同時に「進学研究会」という、たいへんミリョクテキな部に所属していました。はぁ、それは文化部かと? まあ体より頭を酷使する点では文化部ですが、早い話が八時間目の授業ってやつです。三度の飯よりブカツが大好きな宮城県の中では、やはり異色の部活動でしょうね。何なら東日本放送で土曜の朝にやっているブカツ振興(信仰?)番組にでも取り上げられて、お茶の間をザワつかせたかったものですが、当時それも受験期の真っただ中にトンデモナイ時数の未履修をすっぱ抜かれて、思いもよらぬ形でテレビ露出を果たし、世間をザワつかせた次第で…。
 青春の汗もへったくれもなく、とにかく三年間アホみたいに勉強しました。それは中学の三年間、「この辺」の水準に甘んじて、結局アホみたいに過ごしたツケなのだと思っていました。井の中のナンとやらとはまさにこのこと。せいぜい勉強に専念するのはテストの前くらい。これでも中学では勉強する方の部類ではありましたが、最終的に大学受験を前にすると、ただの世間知らずなナメた野郎に過ぎなかったことを痛感し、唖然茫然。全国規模で見れば、中学、小学校、いやそれよりもっと前から既に大学を目指して全力疾走しているガチ勢がたくさんいると云うのに、田舎の中学の成績ごときに胡坐をかいているなんて、覚めながらにして夢を見ているとしか言いようがありませんでした。そんな貯めすぎたツケを、自分は軍隊学校に払いにやってきたのだ、と言い聞かせつつ、私は受験戦争に身を投じたのでありました。
 いやしかし、ホント、環境ってコワいものです。「この辺」の人々を観察していると、つくづくそう思います。高校受験で初めて、まとまった勉強をしてヒイヒイ言ってたのが、「高校行ったら勉強します!」なんて威勢よく卒業していきますが、四月のスタートと同時にインターハイのゴールテープを目指している。それが自分の全てだ! というなら文句は言わない。言わないけれど頭の隅には置いといてほしい。あなたが勉強そっちのけで青春の汗を流しているあいだ、冷や汗かきかき勉強している輩がいることを。