今日は獺祭ボーイがいない。先日ワクチンを打ったので頭が痛くて来られないのだそうだ。だから今日は私だけ机の上をぶっ散らかしていて、何だか心細い。諸君、そんなに私の解答書とプリントの山をじろじろ見ないでいただきたい。共犯者の不在はこの片付けられないオトナをして、少なからざるアウェー感を与うるものであるらしい。
そういえば今日は、ひとつ愉快な仕事があったことを思い出した。作文の添削である。高校教材に駒を進めた獺祭ボーイに、その感想を原稿用紙一枚にしたためてもらったものが私の手元にあるのだが、これがなかなかフルっている。
まずタイトルに試行錯誤の跡が認められる。よく見てみると「高校教材に進んで」の下にうっすら「(だ)私からあなたへ」の文字が読める。ただ感想を述べるだけに非ず、これから自分の後を追ってくる後輩の学習者である「あなた」へ向けたメッセージとして、彼がこれを執筆しようとした姿勢にまず以て感心させられる。
つづいて本文。読んでみたらたいへんに親近感のわく書きぶりである。時々あえてのカタカナなんかを使ったりしてウマいことニュアンスを出している。それでも400字におさまるようきっちり塩梅されていたり、読み手をクスリとさせるユーモラスな回想を挟むなど、実に読ませる作文である。
とてもステキであったので早速妻に見せる。すると何やらフフフと笑ってひと言「小学生っぽくないところがイイね」。かつて彼に作文のいろはを教えたのは、そういえばこの私であったことをいまさらのように思い出した。