かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

塾生心得 「効率厨」のすゝめ 後編

 効率重視、これを日常の人間関係だとか、趣味において追求してしまうと、たちまち友達をなくしたり、メンドウの中にこそ存在していた面白みが失われたり、何かと弊害が多いものです。

 しかしながら、ことお勉強に関しては話は別です。学生でいられる時間というものは、長い人生のうちのほんの一時。その間に脳は激烈に発達するし、あらゆる知識をスポンジのように吸収しうる、まさにゴールデンタイムをいたずらに「非効率的学習」に費やすなんて、実にもったいないことではありませんか。

 昔から何とかと何とかは「量より質」という言葉をよく言いますが、それは勉強にもそのまま当てはまります。睡魔と闘いつつ「自主勉ノート」に英単語を写経した三時間よりも、単語帳を作って今日学校で習った文法事項を確認して、練習問題を解いて、自分の誤答を解決する一時間の方が、よっぽど高い学習効果が得られるのは言うまでもありません。

 また、ここでもう一つ忘れてならないのが、ずばり学習する「目標の明確化」です。みなさんはその日の勉強をはじめる前に、「今日はこれを攻略したい!」という目標を立てているでしょうか? これがあるのと、ないのでは大違い。行き当たりばったりに、アレをやって次にコレもやって、としていると結局のところ、雑多な勉強になってしまって、せっかく覚えたことの整理が付きにくくなってしまうのです。学校の授業で、一時間毎に先生が目標を設定するのも、まさにこのためと言えるでしょう。(え? そんなこと、先生がやっているのを見たことがない? 至急、私に相談するように。)

 だからこそ、まず第一に自分が勉強する今日の目標を設定し、そして次にそれを達成するために最も効率的な手段を考えるのです。ゆめゆめ、「書き取りをしたいから漢字にしようか、英単語にしようか」なんて迷い箸はしないように。大事なのは手段と目的を取り違えないことであり、勉強している間は常に自分の脳味噌がフルで何かを考えたり、新しい工夫を模索するような、魅力的な攻略目標を設定することに尽きるのです。

 そして、眠いと感じたら十分でも十五分でも眠って、ヒートアップした頭を休めてやり、宵っ張りはしないことです。学生の時分よく耳にする「おれ、二時、三時まで勉強したからさぁ」なんて台詞や、学習時間の「量」に由来する自信とは金輪際オサラバしましょう。そんなのはライバルに対するコケオドシであって、自分が非効率的な学習をしていることの、恥ずべき発表でしかないのです。

 以上述べてきた通り、勉強の「質」を上げるものとは、ムダを排した効率的な学習であり、明確化された学習目標を如何に攻略するかについて、自分で最適解を捜すことこそが、結果的にみなさんの思考力を鍛え上げるのです。塾生諸君はよろしく効率重視の学習にシフトして、己が青春の貴重な時間をさらに値千金なものにしてほしい、と願うばかりです。いざススメ、効率の虫!

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