バリバリの文系で、近代文学をこよなく愛する人間であるけれど、私は数学というものがとても好きな人間なのです。
抽象的な事象を「ああでもない、こうでもない」と頭の中でこねくり回すのが好きというのもあるけれど、やはり数学はロジックという一つの構造物を愛でる愉しみがあります。
ロジック、それは無数の「AだからB・・・」の積み重ねで成り立つものです。そのひとつのピースが狂いさえすれば、たちまち積み上げたブロックが瓦解してしまう。そんな繊細さと、ダイナミックさの両面を兼ね備えた数式は、まさにバッハの仕事を思わせるものであります。
と、少し話が「おいおい、また始まったヨ」的な方面に傾斜してしまっていますね。話を本筋に戻しましょう。
塾生諸君は、ロジックパズルというものをご存知でしょうか?
数独、お絵かきロジックなどと呼ばれる、所謂数字パズルの総称なのでしょうが、新聞の端やなんかに載っているのを「ああ、ちょっと見たことある」という方もおられることでしょう。
さて、このロジックパズル、特にお絵かきロジックを私は昔からいたく気に入っているわけなのですが、これを解いていると実に爽快な気分になるのです。
縦列と横列にふられた数字の配列に見合うように、マスを塗って絵柄を完成させるというのが、このお絵かきロジックというゲーム。
マスを塗って埋めていくにあたっては、そこが本当に埋めてもいいマスであるのか、きっちり確定させていく必要があります。
そしてこれを確定させる際に必要となるのが、「もし、ここが塗れるとなると・・・」という仮定と、それを裏付ける「ここに入るはずがないから、少なくともこっちは確定で塗れる」というロジックに他なりません。
さて、この言い回し、塾生諸君は何かお気づきのところがあるのではないでしょうか?