かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

盆・再考 展示と目線

 先日の展示会で小品の棚飾りを出展して、ひとつ気がついたことがありました。

 それはお客さんの背格好によって、まず目に付いて眺める対象が異なる、ということでした。

 例えば一般的な背格好の大人の場合、まず眺めてくれるのが、展示テーブルに据えた飾り棚のトップ。一方、小さいお子さんや、ご年配のご婦人方には、低めの位置にさりげなく置いた、添えの小品や、飾り棚の下段あたりが比較的ウケがよかったわけで。

 つまりこれは、各人の目線の高さによるものではないか、と思い至ったのです。

 なるほど、小さい子が会議用テーブルの上に設えた飾り棚の最上段を見るとなると、それこそ山頂を仰ぎ見るような格好になりますし、大人的には腰高より低い位置の展示となると、覗き込むような格好になって、これまた実に鑑賞しづらい難点があります。

 ならば、こうした傾向を逆手にとって「目線を意識した展示」というものは出来ないものでしょうか。

 小さい子の目に入りやすい低い位置には、食玩等のフィギュアを添えにした小品飾りを置いてみるのも一つの手かもしれません。何なら、そうしたものを大物の一席と一席のあいだに数カ所設置するだけでも、少なからず子供の興味を惹くことは可能でしょう。

 また、大人の目線が届く位置には、飾り棚の背景に展示品の解説や、樹の一般的な手入れ方法、そしてすかさず入会案内を掲示するという手もアリかと思いますが、そこは飽くまで節度を守って・・・。展示品よりも張り紙が多いというのも、何かちょっと野暮ったいものでしょう。

 デンと構えて、迫力で勝負出来る大型の盆栽と同様に、人々の耳目を集め、会員を集めるためにも、これからの私の小品飾りは、ちょいとばかしこの「目線」というものを意識してやってみようと思う今日この頃です。