山形へ行くなら、ぜひとも「盆栽のたけだ」さんへお寄り遊ばせ。
私の父方のおばあさんがそうだったけれど、山形人は優しくて親切、そんな言い伝えが、やっぱりマジなのだと納得できるのが、この「たけだ」のおじさんとおばさんなのです。
あの沼倉さんがハッスルすることになる、われらが研修旅行のシメは、何と言ってもこの「たけだ」さんへお邪魔すること。
優樹あり、素材あり、用土肥料、針金、飾り棚に花台と卓と・・・まさに盆栽総合ショップである「盆栽のたけだ」は、たとえ植木市の収穫が芳しくなくても、「まあ、まだ、たけだがあるから」と前向きになれるステキなお店なのです。
というか、寧ろ最初からここを目指してバスに乗り込む玄人もあり、そんな玄人のお買い物は最早「仕入れ」。
「赤玉中を十に、桐生と鹿沼の大と中を五袋づつ、でいいか。」
って、「いいか。」じゃねぇし。おれ達はいったい社協バスのどこに乗って帰ればいいのかしら、たとい積み込めたとしても、まだ雪の残る鍋越の峠で座礁して、冬眠開けのリアルプーさんと出会っても、そんなにハートフルな交流をする自信はありませぬ。
しかし、まあそれも無理もない話。わが宮城県には盆栽園こそちらほらあるけれど、愛好家が求めるグッツを手広く扱う、盆栽専門店と呼べるものがないのです。
肥料容器だとか、鋏だとかの道具類に関しては、何とかでかいホームセンターで間に合わせることも出来るけれど、やっぱり用土となると誤魔化しがききません。
ホームセンターの赤玉をふるいにかけて、そしてまた、ふるいにかけて、ようやっと配合までこぎ着けて、いざ植え替えても冬のブリザードで凍てついて、翌春には粉々。
そんなわけで手間の面から言っても、私たちの同好会にとって「たけだ」さんが供給してくれる用土は、貴重な生命線であったわけなのです。(次回へつづく)