かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

盆人漫録(4) ダイナミック通販

 我らの強い味方、「盆栽のたけだ」へ行けなくなる日が来ようとは、いやはや夢にも思いませんでした。

 コロナが我々の大事な補給線をいとも簡単に寸断したおかげで、同好会の誰もかれもが深刻な植え替え危機に陥ったのです。

 最初の一年は何とかストックしていた用土でしのぎはしたものの、流石に二年となると、しぶしぶホームセンターの赤玉に手を出さざるを得なくなる状況でありました。

 窓全開、ストーブを最強にした公民館の研修室で、コロナによる活動休止期間を経て顔を揃えた面々が、植え替えを前にした苦境を訴えるなか、副会長の吉原さんが実に画期的な提案をしたのです。

 「こっちで雁首揃えて山形に行く、ってわけにはいかないし、なんなら注文を一まとめにして発注できないか、たけださんに聞いてみよう。」

 というわけで、ダメ元で聞いてみたところ、まさかのOK。しかも、山形から「たけだ」のおじさんとおばさんが、ここまでなら直行で輸送してくれるとのことで、会の人々も一気に奮い立った次第で。

 早速お品書きをFAXしてもらって、お待ちかねの発注の段。みんな久しぶりにギラギラした眼をして、鹿沼を八だの赤玉を十だのと注文書に数字を書き込んでいるなかで、最長老梅田さんの発注は、ちょいと次元が違ったのです。

 『赤玉小 五十、鹿沼小 二十五・・・』誰もが我が目を疑う数字に、ついと「業者かよ!」のツッコミが出そうになりました。

 しかしながら、欅が五百鉢という伝説を持つ梅田さんなら、リアルにそのくらい入り用なのだという説得力もあり、「ホントにイイのね?」「どうやって持ってくの?」とか、会員の皆にいろいろ心配されながら発注を済ませ、ついに我々は配達の日を迎えたのでした。(次回につづく)

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