かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

塾生心得「文章問題がちょっと・・・」前編

 「ウチの子、計算はちゃんと出来るんですけど、文章問題がニガテなんです。」というお母さん達からのSOSを受けることがよくあります。

 それでもバチあたりな私は、そんな話を半分聞き流しながら「ああ、この子は国語がニガテなんだなぁ」と、一人納得して「算数の話はもういいから、国語の話をしたいなぁ」と思ったりしています。

 話を聞かない無礼なヤツにも見えるでしょうが、これは何も的を外れた感慨ではないのです。

 もし塾生のみなさんが私の立場だったとして、「文章問題がちょっと・・・」的な相談をされたとしたら、どのように対応してあげるでしょうか?

 なるほど、文章題のパターンを全て解説して網羅することによってニガテを克服する。流石は勉強熱心なわが塾生だけあって、なかなか理にかなっています。

 しかし、そこには一つ問題が存在するのです。仮にその生徒が熱心な指導の甲斐あって、その単元の文章題の攻略に成功したとしましょう。テストの点は上がり、お母さんもニンマリすることでしょうが、その先はどうなるでしょう?

 別の単元の学習がはじまり、またもや応用問題に文章題が混じりはじめた時、その生徒は再び、お手上げ状態になってしまうのではないでしょうか。

 まぁ、その都度テッテーテキに教えるというなら構いませんが、結局のところその生徒は「教わること」にばかり頼るようになって、いつまで経っても自力で「学ぼう」とする立場にシフトすることはないでしょう。

 大事なのは国語の力、「読解力」なのです。文章題とはそもそも、文中から求められていることを読み取り、その求めに応じて数式を選択し適用する作業であって、決して「足し算の問題だから」とか「一次方程式を使わなくちゃいけないから」という目的と手段を取り違えた、本末転倒な頭で取り組んではならないのです。