かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

塾生心得「文章問題がちょっと・・・」後編

 文章問題でつまづく生徒に顕著なのは、彼らが非常に近視眼的な考え方で、文章題にアクセスする傾向であります。

 「書いてあった数を単に足せばイイ」とか「これは一次方程式の問題だから必ずそれで解かなければならない」なんて了見であるから迷子になるのであって、要するに全くもって問題が読めていないのです。

 きちんと問題が「読めて」、広い視野で手段となる数式をチョイス出来るようになれば、「こんなの連立使った方がカンタンじゃね?」という気づきも容易になるでしょう。問題を正確に把握することが出来れば、それを柔軟に読み替えた上で数式を適用することだって朝飯前なのです。

 私はこの『塾生心得』において、いつも最終的に何でもかんでも国語の話にしてしまいますが、ロジックをもとに記号を操るという点において、数学も国語もそれほど径庭はないのです。

 ですから私は「文章問題がちょっと・・・」という生徒にはいつも、国語の読解問題をコンスタントに課しながら、「数式を読む」ということをしてもらいます。

 なぜこの問いについて、この数式が成り立つのか。式のこの部分は題意の何を表現したものであるのか。さながら読解問題の解説でもするようにして、数学の学習は進んでいくのです。

 やはり目指すべきは、一にも二にも国語数学教科を問わない「読解力」の定着なのです。この力が備わりさへすれば、あとは私なぞぶっちゃけ居ても居なくてもよいのです。

 なぜならそんな人々は、自分で「読めて」かつ「学べる」人々であるからです。そこにどうして私なぞが差し出がましく教える必要があるでしょうか。