かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

定点観測(40) 泣く子は育つ!

 この仕事をしていて、時々ハッとする。

 泣いている子供を見ても「おお、泣いてるな。」くらいにしか思わない自分を発見して「オレという奴はそんな血も涙もない鬼畜野郎だったのか・・・。」という気分に苛まれる。

 もちろん、何かこちらがイケズをしたり、無理矢理ハードな勉強をさせて泣かせているわけではないので悪しからず。

 子供が泣く原因には色々パターンがある。思い通りに本日の勉強が進まず焦燥にかられて、というパターンもあれば、単に眠くて癇癪を起こしたり、問題がどうにも解けなくて口惜しかったり。

 毎回教室に来る度、眠くて泣いて。というのは流石に救いようがないけれど、その他の原因でつい涙をこぼしてしまう子は、これが意外にも強い子なのである。

 歴代の高進度学習者を見ても、「ああ、あの子は泣いてたな」「この子も、よく泣いたし」「そうそう、彼もよく涙を」なんて思い出ぽろぽろが尽きない。

 そういう子たちは「泣く子」というより寧ろ「泣ける子」なのかも知れない。

 自分の前に学習上避けては通れない壁が現れた時「おっ、これはなかなか高い壁が現れたぞ」と気づけるからこそ彼、彼女にとってそれは泣くほどの大事になるのだし、その口惜しさこそが壁を乗り越える原動力になるのだろう。

 泣く子は育つ。

 この仕事をしていて、時々ハッとする。

 この間までしくしく泣いていた子が、いまだ小学生ながらにそこらの大学生みたいな顔をして、微積やら漢籍やらに取り組んでいる。「おお、今日もやってるな。」と「血も涙もない鬼畜野郎」もニッコリ慈愛の笑みを浮かべるとか、浮かべないとか。