「参勤交代」が何かを説明するためには、その歴史的意義はもちろんのこと、それを説明するための「江戸幕府」であるとか「大名」の位置づけであるとか、諸々のキーワードについても語れる状態でなくてはいけません。
これが出来ていないからこそ、結局のところ自分で何を説明しているのだか分からなくなって、ぼんやりとした理解に終わったまま、忘却の一途を辿るところとなるのです。
だからこそみなさんには、歴史のみならず、あらゆる学習において頭に入れたものは必ず一度、言語化してみる試みをしてほしいのです。自分がいざそのことについて誰かに教えるとなったら、そつなく分かりやすく説明することが出来るかどうか、こまめにチェックしてみてください。
もしそこで詰まったり、知らないけど知ってるようにハッタリをかましている自分を発見したら、何度だって覚え直せばよいのです。とはいえ、既に言語化した以上、自分が知らない点だけピンポイントで復習すればよい話ですから、何も難しいことはないでしょう。
「頭にある」だけでは意味が無いのです。人間は言葉によって思考する生き物であります。もやもやしたイメージをこねくり回したって、それを言葉という形に表現出来なければ、誰にも理解してもらえないし、テストの点にだって結びつかないのです。
一問一答で用語を覚えたら、こんどは問題の方を隠し、用語を見て口で説明する練習をしてみる。数学の解答を確認したら、解説されてある数式のどの部分がどういう意味を持っているのか、自分で解説してみる。昨日勉強した英語の文法を、誰かに分かりやすく教えてあげることができるかやってみる。
例を挙げればきりがありませんが、勉強の基本はとにかく口を動かすこと、そして言葉を獲得していくことにあるのです。
教科書を読むだけの勉強で「覚えた」と思い込んでいる君、そして要点をきれいにノートにまとめて満足しているそこのあなた!
さあ、今からでも遅くありません。手と目ばかり動かしていないで、今すぐ口を動かしてみたまえ。