大学とは、一つの大きなカタログであります。
それは学問のみにあらず。そこには様々な考え方をもつ人間が入りみ混じれ、それぞれが何かしらの「ゆかしさ」を求めて奔走したり、彷徨ったりしています。
大学一年生になった諸君はまさにそんな、どこから手を付けてみれば好いのか分からない分厚いカタログを預けられた迷える十八才と申しても過言ではないでしょう。
そのカタログには、学問、人間関係、趣味、サークル活動、バイト・・・等々、実に様々な項目が目白押しに並んでいます。
さて、どこから手を付けようか。そんな風に悩んだ時は、焦らず騒がずまずは自分の胸に手をあてて、自分がどんな感じになりたいのか、どんなことに「ゆかしさ」を覚えるのか、お伺いを立ててみることが大切です。
ここで間違っても大多数に流されたり、考えなしに安易な方へ行ってはなりません。たといそれがマイナーなことであっても、さしたる理由がなくても、「何となく気持ちが惹かれる」学問や、友人、趣味や活動をこそ選び取るべきなのです。
例えば、学問においては、一年生という時期は「一般教養」といって憲法や第二外国語、その外に専門科目の概論などの授業を取ることになるかと思います。それはまさに、学問のカタログ。きっとみなさんはここで、様々な学問や研究の一端を垣間見ることになるでしょう。
概論などは、その最たる例ですが、ここで聞かされるのは、専門的な研究のまさに入り口の部分なのです。だからそこには「ちょっとこれは、オレの肌に合わねぇなぁ」というのもあれば、「これ、私のやりたかったことかも」という出会いもあるでしょう。
学問のカタログを繙いて、「え? こんな研究してんの?」とか「すげぇ、わけわかんないけど、何か興味あるかも」とか・・・。出会いはきっと研究室の数ほどあるはずです。
折角大学へ行ったのですから、是非ともみなさんには、まずそんな体験をしてほしいものです。