かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

私と公文式(27) 縮約のすすめ

 私がこうして「ああだこうだ」と、心にうつりゆくよしなしごとを紡いで、曲がりなりにも文章をものすことが出来ているのは、やっぱり公文の国語が効いていると思うのです。

 長い付き合いと言うより、もはや腐れ縁。数々の名所やお気に入りスポットはあれど、中学教材のG2、H2、I2の冒頭を飾る「縮約」の単元は、実に手放しで賞賛すべき教材であります。

 この単元のスゴイところは、一つの文章をまさに「自在に捏ねくり回す」術を、極めてシンプルに教えているというところ。

 主語を選択し、指定された型の通りに文章を再構築していくレッスンの数々は、「へぇ、こんな主述の逆転もできるのか」とか「こうした方が文意がスッキリして見える」という数々の気づきと、「語り方のレパートリー」を私に提供してくれたように思います。

 そして何より、この教材が解いていて面白い。これが読解問題であると、自分の(人一倍強力な)好き嫌いが発動してしまって、モチベーションの乱高下が凄まじかったわけですが、それがここに来ると「おっ、また縮約だナ」と気持ちが上向いたのを覚えています。

 公文の国語は私的に申せば、「縮約」まで行けるか否かの勝負なのです。「縮約」以前で脱落していく友人や生徒を今まで何人も見てきましたが、ここまで進んで来れた生徒は、何だかんだで必ず形になるのです。

 寧ろ「縮約」以後は、無事宇宙空間に突出したロケットよろしく、どこまでも飛んでいくという次第で。それこそ行く先々で新しい語彙を補充しつつ、自分で推進力を作り出して言葉の宇宙をどこまでも飛んでいくことが出来るのです。
 
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