かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

私と公文式(31) 光ってる教室

 あすこでピカピカ光っているのが、私どもの「ほなみ教室」であります。どうです、公文の看板がピカピカの背景に沈んでしまって、何屋だかわかんない感じになっているでしょう?

 いやいや、場所が変わったからといって急に洒落っ気を出したわけではござりませぬ。この間来たら、こうなっていた次第であります。

 さすがは地域の拠点たる集会所。玄関を開けるとデッカい脚立が置いてあって、この電飾を設置したのであろうおじさん達の、一肌脱ぎっぷりが偲ばれました。



 このライトアップは、日の暮れと共に自動的にはじまるものらしく、ハテまだ点かないものかと忘れていたころにふと窓の外へ目を転じれば、赤や緑の電灯が猛烈なクリスマスムードを醸成しているではありませんか。

 幼い私が通ったトタン屋根の教室にも、こんな仕掛けがあったなら、きっと今頃私は『教室が光った!』とかいう文章を書いていたことでしょうが、さて子供達の反応はというと、いたって静か。「おい、ちょっと見てくれよ!」的なノリではしゃいでいるのは私だけで、妻もスタッフのお二人も子供も、各々の仕事に集中しているではありませんか。

 今まで電飾と縁の無い生活を送ってきたことが丸出しであるようで、少なからず恥じ入っていたところ、窓際に並べた「お迎え待ち席」の子供たちは、まさに特等席というべきポジションにあって、外の様子をガン見している模様。

 よかった、はしゃいでいるのは私だけじゃなかったと安堵しつつ、彼らの頭越しにいい年こいたオトナが、しばしピカピカに眺め入っていると、特等席の一人がやおら席を立ちます。

 「サヨナラ!」と一声、風のように靴をはいてお家の車に飛んでいく早さよ。そうなのです、彼らはピカピカではなくて、おうちの車が滑り込んでくる道路に目を凝らしていたのです。

 彼らにとって「おうちのお迎え」というものは黄金よりも翡翠玉よりも、ピカピカの電飾よりも魅力的なものなのでありましょう。嗚呼、それは何と幸せなことでしょうか。

 やたら光ってる教室を後にして去って行く車を見送りながら、どうして一番はしゃいでいたのが私だったことを痛感した次第でした。

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