集会所に教室が移転して早二ヶ月、私の仕事場は物置部屋であります。
これはハリー・ポッターみたいに迫害されているわけではなくて、自然と私の机のベストポジションが物置部屋になったという話なので悪しからず。
教室時間の半分は、フロアで子供達の手もとを見たり、公文でクモンする人があれば、行ってそれを叱咤激励したり、採点を待つプリントが渋滞していたら救援に行ったり、と意義あるぷらぷらをしているわけですが、彼らがこなした課題の数だけ成績を処理して、次回の宿題と教室分もセットしなくてはなりません。
するとこの仕事は、教材棚を置かせてもらっている物置部屋で行うのが最も効率がよいわけで、早速ここに余っている机を出して椅子を設置したところ、スタッフの方に「先生の書斎みたいですね」と言われて、いやいやどうもと頭を掻いたという次第で。
さて、この書斎もとい物置部屋には、同じく教材をセットする妻も出入りするのですが、何と子供も数名出入りするのです。その数名というのが、いずれも教室が始まって以来このかた、ずっと面倒を見てきた子達なのですが、意外とあっさりフラットな感じでやってきては、私に物を尋ねるのです。
中には、「次にやるところが心配だからさぁ、次のやつ(プリント)を見に来たよ。」という訪問客があれば、私のデスクで徐に因数分解の続きを解き始める客もあります。
正直申せば、フロアを少し遠くに望むここは、少しく寂しいのであり、そうして訪ねてくれる子供の存在は、けっこう嬉しかったりもするのです。
物置部屋から彼らの成長を見守りつつ、さて今日は誰が訪ねてくれるやら、首を長くして待っている年の暮れであります。