かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

私と公文式(33) Battle of Homework

 公文生であるかぎり、公文の宿題はどこまでもいつまでも付いてくる。何なら旅行先にだって付いてくるし、いい加減オトナになった私の前にも大量の宿題が運び込まれて来るわけで、私と宿題の戦いは形を変えつつ今もなお続いています。

 かつて職員室の同僚に、同じ公文OBの先生がありまして、公文話に花が咲いた折り、こんなことを言っていたのを覚えています。

 「おれさぁ、確かFだよF、数学の宿題、よく押し入れの隙間に入れてたんだよ。そしたらさぁ、ある時親に見つかって、出るわ出るわ(笑)」

 その気持ちが激しく分かる私も、かつて数学のFには大いに泣かされたもので、悔し紛れにもみくちゃにしたプリントもあったり、なかったり。今現在は改訂されて随分やさしく親切になりましたが、当時のFは鬼門中の鬼門。正気の沙汰でないような公倍数で通分をしたり、カッコに次ぐカッコの連打で鉛筆の先がプリントの際まで追いやられることも茶飯事でありました。

 だから戦いが劇化してくると、ついついラクな方に逃げたくなるのは子供のみならず人間のサガというもので、押し入れに文字通り押し込んだり、箪笥の底に敷いてあったカレンダーの裏紙の下に滑り込ませたり、木を隠すなら何とやら、百点のプリントの山に遺棄してみたり・・・と、だいぶ具体的な例を挙げたことについてはノーコメントとさせていただきましょう(苦笑)。

 こんな戦いはこの日曜日の午後のどこかで繰り広げられていることでしょう。長期戦、うだつの上がらない日、目の前にニンジンがぶら下げられた日、新しい所の宿題をもらってモチベーションが高めの日もあれば、ズルをしたい日もある。それでもやっぱり、ズルっこをしたってプリントに向かう彼らは、諸々サボっている子よりはまだ褒められるところがあるはずです。

 そんな悲喜交々の宿題を採点しつつ、とある子の送った、とあるホリデイを想像する私であります。