かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

塾生心得 2月のお便り

 「大寒(おおさむ)小寒(こさむ)、山から小僧が飛んでくる」。そんなフレーズがつい口をついて出てしまう大寒波が襲来し、テレビでは外へ出るなと言うから家に籠もっていようと思っても、暖房なり何なりで電気と灯油を使わなくてはならない・・・なんとも、厳しいシーズンが到来していますね。

 そんな中でも受験生のみなさんは、紫色の唇をして凍える寒さの中、一世一代の勝負に挑んでいます。緊張しきった朝の胃袋にむりやり食べ物をつめて、猛烈なプレッシャーと格闘しながら靴を履き、最後にもう一度受験票を確認して出かけて行くその姿は、想像するだに涙ぐましいものであります。

 別に今はまだ受験生でもないし、そんなのは全く他人ごとのように学校生活をエンジョイしている生徒諸君、これはズバリ数年後の君たちの姿なのです。

 大事なのは、そうした将来のことに「思いを致してみること」なのではないでしょうか。何も厳密なシュミレーションをせよ、と言っているわけではないのです。数年後の自分の姿をちょっとイメージしてみることが、いざという時の心の準備にもなれば、今現在のモチベーションに繋がることだってあるのです。

 危ういのは、無関心であることです。今の現状だけに満足していては、当然危機に具えることは出来ません。対岸の火事は、自分のところの火事だと思うことが一番の具えであると同時に、今どこかで大変な思いをしている人に「思いを致す」ことが、結果的に自分の助けとなるのやも知れません。