○ポメラ登場
元来面倒くさがりであるくせに、「一日一本」の強迫に苛まれつつ原稿をあげ続けるにあたって、一々ノートパソコンにコードを差し込み電源を入れ、パスワードを打ち込み、ややしばらく待ってインターネットのタブを開いて自分のブログへ入って・・・という一連のルーティーンは、私にとって壮絶な面倒くささを連れてくる。
それに加えて、今ひとつのハードルとなったのが、ノートに手書きした原稿の打ち込み作業であった。ふっ、と思いついた時にガリガリと方眼ノートに蝿の頭みたような字を書き並べたものを、今一度コンピューター上に打ち込むというのは、気が遠くなるような二度手間でしかない。
そこで登場したのが「ポメラ」という機械である。これは学生の時分からその存在を知っていたものの「横書きしか出来ない」という点から、縦書き第一主義者である私の選択肢より除外せられて久しかったものである。しかし、ある朝ふと思い立って「ポメラ」と検索したところ、最近のポメラは縦書きが可能であると判明。また、有線ケーブル一つあれば、たちどころに打ち込んだ文章を必要なところへ移すということが出来るとあっては、即座に購入に踏み切った次第であった。
私の場合「仕事の合間」の方が寧ろ文章をものすのに都合がよいことが多く、子供の様子や、指導者の立ち居ふるまい、あるいは全く教育に関係のないよしなしごとを、折にふれてチャカチャカと文章に仕立てるのが丁度良い気晴らしにもなっているのかも知れない。
だから「定点観測」であるとか「私と公文式」は、その現場で稿を起こしたものが多いわけであるが、子供の一挙手一投足のようにささやかな出来事は家居に帰ってからであると、さらりと忘れてしまうおそれがあるため「活きが良いうち」にポメラで以て書き留めておくのが吉であるらしい。