教育雑記帳(54) 親のマネジメント力 Ⅰ
教室にやって来る子には二通りあります。
一つは「いつも一定の調子でやってくる子」、そしていま一つは「その日その日で調子が変動する子」に大別されるかと思います。
子供なのだから日ごとに何かしら調子の変動があるのは当たり前だ、と思われる方もあるやもしれませんが、その差は何よりも学習内容における密度の差として如実に表れるものです。それもそのはず、前回は機嫌良く学習をしていたにも拘わらず、今回は教室の玄関からぐずって帰宅を余儀なくされたり、入室したはよいものの頑迷に抵抗しておよそ学習にならなかったり・・・そんなようでは先ず以て学習の連続性は担保されません。
前回出来なかったことと、今回出来るようになったこと。たといそれが些細なものであったにせよ、子供の学習においてそうしたスモールステップは不可欠であり、何となくであれ自分が何か成長したらしいという意識とともに学習を終えることは、次の学習意欲を喚起する大事なファクターなのです。
だからこそ、そうした学習のログを明らかにする上でも「いつも一定の調子でやってくる」ことが重要となってくるのです。そんな一種のルーティーンが成立している子は、「教室に来たら勉強するものだ」という当たり前な(ことでありながらムズカシイ)認識のもと、情緒的な安定という強力なバックアップのもとに「前回の続き」としての学習に邁進することが出来るのです。
では、こうした安定した学習を成立させるファクターとは何か。それは「親のマネジメント力」と呼べる技術であり努力なのではないでしょうか。