ちょっと、喩え話をしましょう。
ここに自惚れの強い大工がいます。この大工、とある大金持ちに依頼されて、とにかくデカくてゴージャスな家を建てることになりました。
「金に糸目は付けない」との注文通り、一流の建材を揃えて、さて作業に取りかかったものの、建設用地の地盤が思わしくありません。地盤改良をするための資金は潤沢にあるけれど、そんなことをしていたら工期が遅れてしまう。
だからそこは割愛してしまって、トッテンカントン自慢のウデをふるう。数ヶ月をかけてギラギラと俗悪な感じのする立派な御殿を作り上げたのだけれど、何かがオカシイ。御殿の完成を見に来た金持ちと一緒に、大工も首を傾げている。
「君、君ねぇ、この家、こうして見ると真っ直ぐ建っているんだけれど、私が真っ直ぐ立って見ると今度は家が首を傾げているんだが。」
もうお分かりのように、こんな家には住めやしません。全てが一流のもので組み立てられているにも拘わらず、基礎から傾いた家など最初からオワッてると言うものです。
さて、ここに自惚れの強い受験生がいたとします。今現在は部活が忙しくて勉強に本腰は入れられていないけれど、いずれホンキを出せば結果が出せると思っている。
親のたっての希望で、国公立大学を目指すことになった受験生、秋口にようやく部活を引退して、さてホンキを出して勉強に取りかかりますが、さてどこから手を付けたものか分からない。ここまではホントによくあるパターンであります。(次回へ続く)