かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

盆・再考 樹を選ぶ目

いま改めて、盆栽とは何か。盆栽という趣味を通して見えてくるものとは何か。そんな話題をエッセイ風に。

作文の時間(8) もっとフォーカスして

どうやったら、ウチの子に作文を書かせられるかしら…そんなお悩みをお持ちのお父さん、お母さんへ。

盆・再考 樹と人と

つい先週の同好会で、一緒に盆栽をいじっていた仲間が急逝しました。 私と半世紀分年の離れた友達。大先輩でありながら、同じ趣味を語り合えるかけがえのない友人でありました。 青々と繁った樹が、一夜のうちに立ち枯れるかのように。遺された盆栽たちは、…

ブカツ哀詩 解放への道

部活動を完全に外部化して、学校教育から切り離すべし! いま教育現場が求めているのは、小手先の働き方改革ではなくて、こびり付いた悪弊を見直す構造的な改革なのです。 毎日六時間目まで、ほぼフルコマの授業を終え、一息つく間もなくブカツがはじまる。…

盆・再考 同好会へようこそ

孤高のぼっちプレーヤーを選ぶか、にぎやかなサークルを選ぶか。それはあらゆる趣味において提示される選択肢であるかもしれません。 せっかくの趣味なのだから、誰に気兼ねするともなく、自由に気ままに愉しむというのもアリ。同好の士という最良の話し相手…

些事放談 ランドセル今むかし

昭和十年生まれ、私のおばあさんは坂の上からランドセルを投げられました。 周りがみんな風呂敷包みを提げている中で、一人だけ革製のランドセルを背負っていたわけですから、まぁ、それも仕方がない話で。 時代は下って現在、ランドセルを背負っていない子…

作文の時間(7) こんなのどうかな?

作文は「マネ」をすることで上手くなります。 いや、「マネ」をしないことには、上手くなるわけがないのです。 好きな絵本の語り口、どこかで聞いた言い回し、気に入った文章、これらはどんな教科書よりも雄弁に作文のいろはを教えてくれます。 以前お話しし…

軍隊学校之記(9) 軍隊学校VS.防衛大

私、防衛大学校を受験したことがあるのです。 と言うと知人たちには「え? マジすか?」という反応をされます。彼らから霞を食って生きていると称される私なれば、それはまぁ当たり前なのですが、もそっと正確に述べるならば、私は防衛大学校を団体受験した…

盆・再考 ありそうでなさそうな

ドラえもんのスモールライトを使って、そこらへんに生えている樹をみるみる小さくして鉢に植えたとしたら、果たしてそれは完成された盆栽になるでしょうか。 確かに、盆栽は自然を模倣して作る芸術作品です。だったら自然の樹をそのまま模倣すれば、完璧なん…

ブカツ哀詩 「この辺」の事情

小さいうちからウチの教室に通い、せっせと研鑽を積んで、毎日決まった分量の宿題をコンスタントにこなしていた子が、中学校へ入学したのを境に明らかな変調を来してくる。 今まで毎日欠かすことのなかった宿題の量が目減りするくらいならまだしも、ひどい時…

些事放談(3) お倫ぴっく

心躍らぬオリンピックが二ッばかし、コロナのごたごたに紛れて過ぎ去ったような気がしたけれど、平和の祭典はザキザキした心持ちより外の何かをもたらしたのだろうか。 今さらではあるけれど、私はいまなお「なんだかなぁ」の気持ちで居るのである。 この辺…

軍隊学校之記(8) 寝る子は育つ

過去のある一瞬に数秒間だけ戻れるようなミラクルがあったら、みなさんはかつての自分に何と語りかけるでしょうか? それが大学時代だったら、私は酔っ払って教育実習の大事な日誌を紛失する前の私に「自転車で帰るのは止せ!」と言うでしょう。では、それが…

作文の時間(6) アウトプット賛歌 後編

私は国語教育における「作文」の異質さを、その徹底したアウトプットの営みに見ています。そして表現するというところで見るならば「作文」は紛れもなく「図工・美術」と同じ領域を共有している、というのはちょっと言い過ぎでしょうか。 でも、白い原稿用紙…

作文の時間(5) アウトプット賛歌 前編

国語という教科において、「作文」は限りなく異質なものだと私は思うのです。 普段の国語の授業といえば、テキストを読んで登場人物の心境の変化を追ったり、作者の論理展開を整理したりという作業を通して、文章を正確に読解する術を学びます。この点で読解…

塾生心得 英語がワカンナイ 前編

私のところへ来はじめたばかりの門下生から「先生、英語で点が取れません」という相談を受けることがあります。私はテストの点を上げるための勉強というのが好かないので、何が分からなかったのかと尋ねます。 すると彼らはきまって「うーん」と考え込んでか…

教育雑記帳(10) すてきなお母さん 後編

自分の受験でもないのに、子供に向かって自分も頑張っているのだから、あなたももっと頑張れというのはとんだお門違い。子供という存在が精一杯勉強していることを認め、その上で余計な口出しをせず「見守る」ことに徹しようとするお母さんの姿勢には唯々頭…

教育雑記帳(9) すてきなお母さん 前編

教育について何をか語ろうとする際には、やはりどちらかと言えば、教員の問題であるとか、教育行政の非合理性をこき下ろしたり、ディスったりする方が仕事もラクである。だがこの間、妻に「ディスってばかりいないで、少しは褒めることをしたらよろしい」と…