2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「ウチの鉢と、残った樹を引き取ってくれ。」 という盆栽仲間からの依頼は、残念ながら一度や二度ではありません。年齢的なものや健康上の理由から、どうにも盆栽を続けていくことがままならなくなる時は、いづれの愛好家にも等しくやって来るのです。 果た…
「そうだ、それがあったか!」 言うが早いか西松屋へ飛んでいったのは、殊のほか赤ん坊のことに関してはなにかとそそっかしい親父である。 彼の頭には今し方覚えた〈メリー〉という言葉がどかりと鎮座ましましていて、今すぐメリーを買いに行くべし、という…
シンクイムシという厄介者の存在は知っていたけれど、実のところその本体を目の当たりにして「こいつがシンクイムシで、ベニモンアオリンガの幼虫である。」と確認したことはありませんでした。 何せ、葉っぱの状態を見て虫がいると分かったら(いや、分かっ…
そういえば、先生は去年の今時分もホワイトボードに「ベニモンアオリンガ(シンクイムシ)」と記していなかっただろうか。そんな遠い記憶が、デジャブのようによみがえる気がしないでもない月曜日の午前中。 同好会のメンバーはそれぞれのサツキを前に、ぱちり…
われらが顧問、平先生には足かけ十年わざわざ隣町からお越しいただいている。 サツキ展後の教室は、毎年恒例の大剪定大会となるわけで、咲き終わった花を全て摘み取って、今年の春からぐんぐん伸びた芽をだいたい元の位置まで切り詰める作業に追われます。 …
●「非積み木型」学習者 積み木で遊ぶことが出来ない人間があるとしたら、彼はおそらくそれを積まずに散らばして満足するのではないでしょうか。 バラバラに散乱する積み木を「非積み木型」学習者の秩序立っていない、言うなればカオス状態な頭の中と見立てて…
●「積み木型」学習者 「ンなこと言ったって、オモテなんて上がらねぇよ。なにせ土台が腐ってるって、この間も、そう言ってやったんだよ。」 というのは落語でお馴染みの大工さんの台詞。この一節が私の口をついて危うく出そうになったことの発端は、とんでも…
調べたところによると、排便の頻度は子供によってかなり個人差があるということである。 一日一度、オトナみたいにまとめて出すことが多い我が子であるが、時にその帳尻が狂って出し損ねる日がある。すると彼の腹はぽっこり小山みたいに張り出して、四六時中…
あんまり頻繁にゲーゲーしているものだから、流石に心配になって小児科の先生にも相談した。するとこの月齢的には胃袋の構造上仕方の無いところがある、とのこと。これは時間が解決するたぐいのものであるそうだ。 それはそうと、ゲーよりも寧ろ先生の診断は…
転がされているだけなのに、やたらニコニコしている時がある。そんな折りは「あら、めんこい!」なんて、家人が群れ集うのは自然の理であるけれど、ゆめゆめ油断してはならない。満面の笑みと共に大量のミルクが吐き出されて、わが家のお茶の間は阿鼻叫喚の…
甚だ尾籠な話でありまして、お食事中の方々におかれましては、どうかお済みになってからお読み頂きたくお願い申し上げますことには、赤ん坊というもの、のべつまくなしに「上から下から」あれやこれやを出すこと頻りであって、赤ん坊の赤裸々なところを語る…
新しいことを学びはじめる時、大切なことは何でしょうか。 私は「言葉を手に入れる作業」だと思います。自分の知らないことを学ぶに及んで、まず最初の関門となるのが「言葉」なのです。 「同じ日本語で書いてあるのに、何が書いてあるか分からない・・・」とい…
要点「だけ」をドカンと覚える。 つまりはテストに出そうなところだけを効率的に頭へ詰め込んで、とにかくあらゆる問題のパターンを網羅して、その攻略法をガリガリ勉強していく・・・それが私のかつての勉強スタイルでした。このような「点取り虫」的な勉強は…
さぁ、大変です。 今年もやってきた「令和五年度サツキ展」に、私が出すサツキが無いのは毎度のことながら、そんなことよりも大変な事態がわれわれ同好会を見舞ったのであります。 それは深刻な人手不足。不慮のアクシデントによって、会場設営や展示準備を…
盆栽を飾る。するとウチの中に一本、鉢に入った樹が鎮座ましますことになるのは当たり前のことであります。やり方は実に簡単。芽を出したり、花が見頃をむかえた一鉢を「今日はウチん中に来てよ」とばかりにラチって来て、泥などの汚れを拭いてやり、ひっく…
Ⅲ、違い棚の部(右から順に) ●イワシデ 毎度のご登場なれど、そこのところはご愛敬。なにせ六月の展示会の折りには瑞々しい若葉を漲らせ、晩秋の展示会の時期には、ねらったような紅葉で猛アピールをしてくるものだから、愛好家としてこれを飾らないわけには…
●イチョウ(銀杏/公孫樹) イチョウも盆栽になるのです。 この如何にも無策丸出しの形状をご覧下さい。おっと、ゆめゆめ横から見たりしてはいけません。くれぐれも正面から、そう、ひたすら鉛筆みたいに直立するアングルからご観賞いただきたい。 どうです、…
●はじめに 「サツキ展」なのに肝心のものを飾れないのは私の不徳の致すところであり、少し言い訳をさせてもらうならば、妻の腹に子供がある中で庭に殺虫剤を撒くのがちょいとばかし憚られたためであります。だからシンクイムシ達には、ずいぶんと施しをして…
さて、参考書も決してお安いものではありません。今回私は自分のお財布をはたいて自分の勉強用に『自由自在 理科』(受験研究社刊)と「一問一答集」を購入したわけですが、なかなかどうして少なからざる出費であります。 塾生諸君にはいつも申しているように…
塾生諸君、私はただいま理科、それも化学のお勉強をはじめたところであります。 殊に化学の門外漢であった私は、とある理由からこのを勉強いたさねばならなくなった次第なのですが、驚くべきことに現今の中学理科には、かつて高校で習うはずだった単元までも…
●棚場 盆栽達のホームグラウンド、それが棚場である。陽当たり、風通し、そして面積の三拍子が揃えば申し分ないけれど、不足分は各人が創意工夫と不断の努力(家族の説得)によって補う。 だからと言ってはナンであるが、棚場とは愛好家の性格を如実に映し出す…
●愛好家のタイプ分類 ②育て屋 実生のケヤキが二百鉢。これはわが同好会において破られていない大記録である。 種からじっくり、時間と愛情をかけて育てていく喜びもあれば、挿し木をしたり数百円で手に入れた素材を丹精込めてつくっていく喜びもある。 タダ…
「それを天秤にかけますか?」 その子は基礎学力を全く放擲してプロのスポーツ選手にでもなるのでしょうか。百歩譲ってもしそんな夢が叶うにせよ、「読み・書き・計算」もままならないような人物が日の丸を背負ってアホ丸出しのインタビューに応じる姿を、私…
衣替えの季節になりました。ちらほらと夏服の白さを見つけるにつけても、清々しいような「また夏が来たんだ」という気持ちを新たにさせられる今日この頃。生徒のみなさんは、机の向こうのオトナ達よりも、よっぽど早く暑さに慣れてしまったのではないでしょ…