かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

軍隊学校之記(3) テスト・モシ・テスト

もとより覚悟のうえ、元々うちのじいさまがコースの設立に携わったこともあり、幼い頃から「あんだは進学コースさ」と育てられてきたわけで、ほかの選択肢をあまり考えることもありませんでした。(なんてキョウイクだろうか!?)強いていえば、私立高校ゆえ…

塾生心得 罪なケアレス 後編

テストであっても、それ以外の局面においても、見直しをする能力とは、実のところかなり高度な能力と言えます。自分の書いた答えをそのままなぞるのでは、見直しをしたことにはなりません。多くのケアレス民はこの点で、大きな誤謬を犯しているのです。ただ…

塾生心得 罪なケアレス 前編

ほんとは八十点台だったんですけど、ケアレスミスしちゃって・・・と、てへぺろな笑みを浮かべている生徒諸君、果たしてそのケアレスの発生原因について考えたことはあるでしょうか? この仕事をしていて一つ気がついたのは、ケアレスミスは起こるべくして起こ…

軍隊学校之記(2) 嗚呼、軍隊学校!

私が出たのは宮城県は古川駅前の軍隊学校、いや失敬、古川商業じゃなくて私立古川学園の進学コースというところです。古川学園といえば女子バレーでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、「進学コース」というのはまさに影の名物。この辺の人々には、ち…

教育雑記帳(4) 後から分かるから

教育において「分かりやすい」ことが金科玉条とされて久しい。簡潔な説明、明快な論理が導き出す分かりやすさは、教育現場のいかなる場面にあっても必要不可欠なものである。しかしながら、私にはこれだけだと何か物足りない気がしてならないのである。オト…

軍隊学校之記(1) 序

それなりな小金と、それなりなステータスを持っている人々が、ある日突然筆を執ってわざわざ自費出版する「自伝」だとか「わが成功の秘訣」なんてものに、たいてい面白いものはありません。ブックオフの投げ売りコーナーに二束三文で売られる背表紙を見るだ…

教育雑記帳(3) 職員室に灯を

とあるテレビゲームのなかで、亡者状態になったプレーヤーが「人間性」というアイテムを使うことによって生者に戻る、なんてシステムがある。するとパサパサのお肌と黄ばんだ白目が、在りし日の姿を取り戻し、筋力がアップしたり、協力者の助けを得られたり…

塾生心得 明日の学問のために 後編

では改めて、現代日本社会を生きる私たちは、何のために勉強をして、何のために大学へ行くのでしょうか。私が考えるその答えは《学問を修めるため》です。 「いやいや、そんなキレイ事を」と言われるやも知れぬのは覚悟のうえですが、果たしてこれは、「キレ…

塾生心得 明日の学問のために 前編

なぜ勉強しなければならないのか、なぜテストで良い成績を取らなければいけないのか、どうして上のレベルの高校や大学を目指さなければならないのか――。学生ならば誰しも一度は、こうした疑問にぶち当ってぐるぐる苦悩した夜があるかと思います。 落語の小噺…

教育雑記帳(2) 「言はでも」の記

今日は、よくできたねぇ。と褒められてまんざらでない子供。とそこへ飛んでくるキラーフレーズ「いつもこうだといいのにねぇ。」に、心底戦慄させられる。たとうるならば、油断したところへの致命の一撃。ようやっと本日のお勉強を、いや子供にとっては本日…

新 盆・歳時記(2) 植替えラッシュ

筋金入りの面倒くさがりな私でも、こればっかりは「そのうちになむ」ではいられない。うららかで良い奴だと思っていた春という季節に、「植替えるか、さもなくば殺すか」の物騒な二択を突き付けられて周章狼狽、ようやく庭へ出てみるけれど、あれもこれも植…

新 盆・歳時記(1) 土の準備

「この黄色い砂塵のひとつひとつに佛さんがいらっしゃって」、いつかどこかで耳にして以来、この作業をするたびに思い出すフレーズである。 盆栽用土 ふるいにかけて、そしてまたふるいにかけて、ひとつひとつ不純物を除いてやって、さらに乾燥させる。今年…

教育雑記帳(1) 「しません」はしません

流行り病の少し前のことだったろうか。学校の塀沿いの路を歩いていると、ちょうど放課の鐘がなった。暖かい季節のことであるから、玄関からわき出した子供たちが校庭へ飛び出して、帰宅前のひと遊びに興じているところを横目に、よきかなよきかな、と通り過…

盆・再考 空気みたいなアイツ

盆栽との付き合いならぬ「お付樹合い」がはじまると、仕事をしている間などは、水切れを起こしていやしまいか、とか今度の週末には鋏なんか入れて風通しをよくしてやろうとか、とかくアツアツなご関係になるものです。生活がかかっているガチ勢は別としても…

塾生心得 《分かる》を分かりたい

《分かる》とはどういうことでしょうか。 これはよく耳にする話で、私自身も上京した時に体験したことなのですが、大きな荷物を抱えて東京駅の新幹線ホームに降りたまではよいが「ハテ、どこにいけばよいのだっけ?」と途方に暮れたことがあります。前に来た…

盆・再考 盆栽は金持ちの趣味か?

ご年始の特番では、ここ数年、数億なんていう盆栽が出て来て、これとお菓子で作った模造木とを見比べるコーナーがお馴染みになっています。あれを観て「盆栽ってスゲェ!」「カッケー!」という形で興味を持ってもらえるのは、愛好家として嬉しいことではあ…