2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
私のおばさんが庭の石からワイルドに引っぺがして、そのままビニールに入れて呉れたのが、このシャクナゲである。 「百計」とは言い条、初っ端から見事なまでの私の無策ぶりを露呈するようで、はなはだ気恥ずかしいのであるが、これはこれで「面白い」と思っ…
樹も塾生も、漫然と付き合ってばかりでは面白くない。 不思議な縁から私のところへやって来た彼らは、日々変化していく。これは文学作品であったり、プラモデルにはない厄介な点であると同時に、最大の面白みでもある。 生きているものを相手にしているから…
「訂正」とは「学び」のチャンスであります。 だからこそ、正解するよりも訂正することの方がよっぽど難しい。 正解とは正直なところ、実に味気ないものなのかも知れません。クイズ番組を見ていても明らかなように、ピンポーンと正解してポイントが加算され…
この間、ふとこんな警句が口を突いて出ました。 「間違いを訂正することは、問題を解くことより難しい。」 我ながらなかなかどうして、深い事を申してやったぜ、とひとりして悦に入っていたところ、「え? 先生、これってどこか間違ってます?」と言われて「…
このごろ通う店のレパートリーが一つ増えた。 いつものスーパーに、ホームセンターと本屋とビデオ屋に加えて、『ベビー用品』をひさぐ店に出入りするようになった。 当然のことながら、これまでおよそ縁の無かった店であるが、あと数ヶ月もすれば「必需品」…
教室始まって以来もっとも頻りな「お兄さん風」と「お姉さん風」が吹き荒れている。 今まで一人して座らされていたのが、今度の集会所教室では、デカい会議机に二人して座ることになったのが、おそらく事の発端なのだろう。 横をチラチラ、隣は何をする人な…
そもそも、こちらの指示や学習のアドバイスすら、ちゃんと伝わっているのだか定かでない段階にある子供に、英語を習わせるなんてことは、愚かしい倒錯に過ぎないのです。 向こうの言葉を覚えるならば、それに対応する母語という基礎がしっかりと出来上がって…
このところ、小さい子にやたら英語の勉強をさせる風潮が出てきたのは、英語が小学校に降りてきたせいでありましょう。 国際競争力だか何だか知りませんが、私は国語も覚束ない子供にアルファベットを書かせたり、「ハウアーユー」「アイムファインセンキュー…
これは、ひょっとして、孔明のワナかしら。 はるばる同好会ご一行様が到着した「盆栽交換会」会場には、車の一台、人の影すら見当たらない。一応、ここは園芸店であるからして、庭石なり盆栽の数鉢こそあれ、肝心の店主の姿もありません。 鳴子の山を少なか…
かつて諸葛孔明は、空にした城の楼上に琴を弾き、詰めかけた敵軍をまんまと欺いたそうな。 盆栽愛好家なら知っている専門誌『近代盆栽』には、毎号必ず全国各地の展示会情報が掲載されています。これを頼りに、われわれ愛好家はまだ見ぬ樹と同好の士との出会…
今週のお題「わたし○○部でした」 私、「進学研究会」でした。通称「進研」。え? そんなこと聞いてない? いいでしょうが、私だって部活の話がしてみたいのです。 所属している生徒数は、進学コースに在籍する生徒数とイコールであり、主な活動は「主要五科…
出てきてからのお楽しみ、というのは最早古い常識なのかも知れない。 それが息子なのか、娘なのか。はたまたどんな顔をしているのか、期待と不安を二つながらに抱えて分娩を待つものなのだろう、なんて思っていたら検診から戻った妻が「カラー写真」を持って…
チラッと見たら、椅子にふんぞり返っているヤツがある。 なぜあいつは、あんなにふんぞりかえっているんだ。とガンを飛ばす手前もまた、椅子にふんぞり返って腕組みなんかしているのは、あいつの椅子にも私の椅子にも立派な「背もたれ」がついたためにほかな…
「集会所」と聞くと、万年ぼっちプレーヤーの私は、一人でクエストを受注して狩りに出発していく、哀しきゲーマーの姿をまず想起してしまいますが、話を本筋に戻しましょう。 「集会所」で公文の教室を開く。 寺子屋式の教育を標榜する公文にとって、地域に…
このほど、家内とはじめた「公文式ほなみ教室」を引っ越すことと相成りました。 売り家になっているところを、大家さんのご厚意で間借りしていたわけですから、いずれこの時が来るだろうことは、開設当初から分かっていました。 それでもいざ、買い手がつい…
会の皆で話しているとたまに「盆栽誌に掲載されてくる写真は、やっぱり抽象的だ」という話を聞くことがあります。 樹もまた生き物ですから、雑誌と同じ樹なんてないのは当たり前だけれど、いざそいつをマネて作ってみようとすると「オカシイ、この通りになん…
最近の子供達が、どのように語彙を増やしているのか分かりませんが、やはり現場に出ていると「言葉の感度」が低いな、と感じる子供を見かけることがあります。 まずもって、語彙習得に欠かせないのは、知っている言葉にせよ、そうでない言葉にせよ、それをキ…
CMの台詞、ゲームの横文字、家族の会話。 これらはみな、私の語彙を育てるのに一役買った立役者たちであります。 今の子供達はテレビよりユーチューブで、自分の好きなものだけ選りすぐって観る、という恩恵に浴しているようですが、「テレビっ子」として…
今週のお題「地元自慢」 誰も自慢してはおらぬのだけれど、いや誰も自慢しておらぬからこそ、私がそろぉっと、手を挙げて自慢せねばならぬことがある。ここは、バッハ推しの町なのだ。 わが郷里「加美町」(旧中新田町)は、宮城県北部。仙台から北に車を走ら…
今週のお題「やる気が出ないときの◯◯」 「やる気スイッチ」を見つけてあげたり、押してあげるなんてコマーシャルを耳にしたことがありますが、そんなスイッチはこの世に存在するのでしょうか。 よし、百歩譲ってそんな重宝な(?)スイッチが「存在する」とし…
あんなにいつも、自分の戦車模型を錆びさせたり、わざわざ「古さ」を出そうなんてしているクセに、こんな時に限って舎利のウェザリングを失念するとは、私もまだまだ甘ちゃんであります。 そんなこんな、三日間の展示でお客さんは百数十人。終わりかけた日曜…
あはれ今年の秋も去ぬめり。秋の展示が無事に千秋楽をむかえると「ああ、今年も終わったなぁ。」という感慨が、つい口の端からこぼれてしまいます。 「いやいや、あなた、まだ二ヶ月あるから」と家内にツッコまれつつ、つらつら思うに、やっぱり今回の展示に…
そのスーパーに買い物に行くと、必ず選ぶレジがある。 どんなに人が並んでいようと、前の客のカゴが溢れんばかりになっていようと、喜んでそこに並んでしまうレジがある。 そのレジを打っているのは、ササキさんという方で、その手際たるや単に「早い」とい…
定期テストではそれなりな点数を取れていたし、その時になってホンキを出せば、国公立大くらい行けると信じている受験生。これは歯が抜けるほど甘い考えであります。 「金に糸目は付けない」という親の勧めで、名の知れた進学塾の門を叩いて、みっちりコース…
ちょっと、喩え話をしましょう。 ここに自惚れの強い大工がいます。この大工、とある大金持ちに依頼されて、とにかくデカくてゴージャスな家を建てることになりました。 「金に糸目は付けない」との注文通り、一流の建材を揃えて、さて作業に取りかかったも…
お前、ホントに外国行ってきたのか? というのは、懐かしい「寅さんのおいちゃん」の台詞。 ええ、行ってきましたとも。何ならアメリカだって遠くから見てきた次第で。 流石はイギリス植民地、女王陛下の名を冠した州都ヴィクトリアより鉛色した海をのぞめば…
甘いチャーハン、ブロークンなイングリッシュに打ちのめされ、「曖昧な日本の私」すら封じられた私は、スチームが蒸してきたベッドルームで貪るように新潮文庫を読んでいました。 そこは普通「郷に入っては何とやら」だろう?と思われる方もあるかも知れませ…
何か新しいことを学ぶにしても、知識を定着させるにしても、頭に一時的に入れておける容量が大きければ大きいほど、情報を比較したり、整理する作業が捗るのは当たり前。それは大きな作業テーブルに喩えられます。 しかし、一方の小さなテーブルで知識の整理…
よく子供が勘違いすることわざに「三つ子の魂百まで」という言葉があります。 これは金さん銀さんみたいに、三つ子が長生きするということではなくて、小さい内に身につけたものは生涯忘れない、という教訓めいたことわざです。 まぁ、そりゃそうだろ。と軽…
カレンダー少年をはじめ、公文の算数を進めてきた子供達と数式を追いかけていると、段々会話が抽象的になっていく。 例えば分数が入った四則混合。 カッコの中を先に計算しながら、他の項において同時進行で通分の準備をしたり、約分のために仮分数に直して…