教育
中学生に小学生までもが学校の机の上でパソコンを広げているという。 「パソコン」なんて表記する時点で、私の遅れ加減が知れるというものであるが、そんなものパーソナルコンピューターであれ、タブレットであれ、私にとってはどっちだってよい。 私のよく…
○効いたら速やかに・・・ 授業形態の如何に拘わらず、指導者の言葉ひとつ、アドバイスのタイミングひとつで、子供の理解や感じ方は大いに変わってきます。一対一で子供に向き合う時などにも、「よし、ぴったりおちた(理解した)」とほくそ笑んだり、「しまった、…
○ハリガネは美しく 幹枝にかける針金は交差させてはいけないし、巻きの途中でへんに隙間が空くようでもいけません。針金はいつも負荷をかける枝にぴったりと沿わせて、枝の太さに応じてその都度番手(口径)の違うものを掛け渡していきます。 ですから、枝先に…
○軌道修正としてのキョウイク 確たる目的もなしに下手な針金を掛ければ樹は枯れます。それもそのはず、樹の生育にとって針金など自身の肥大化を抑制するファクターでしかなく、まさに盆栽愛好家のエゴ百%。 健康でのびのびとしていて、それこそ大自然の中に…
○なぜ針金を巻くか テレビに映るような盆栽が、どうしてあんなに均整のとれた形をしているのかと申しますと、それは枝葉の一つ一つに至るまで、職人が丹念に針金をかけて整枝しているからに他なりません。 ここが盆栽と植木の大きく違うところ。針金というバ…
とある教室のトイレが詰まった。 詰まりの原因はトイレットペーパーの芯を流したことによるもので、悪質なイタズラをした張本人は即座に突き止められて事情聴取が行われた。保護者にも事の仔細を連絡すると、のっそり現れて子供のやらかした不始末を詫びる。…
○個体差について 盆栽愛好家に好まれる樹種に「五葉松」というのがあります。黒松や赤松などのおなじみの針葉とはひと味違って、一芽につき約五枚の新葉が愛らしく、産地によっては葉の形や見かけがまるで異なるのが、愛好家を「ヌマ」へと誘い込む心憎いポ…
○性根を見据えて 樹と子供の「個性」とは、その数だけ存在するといっても過言ではありません。しかしながら、「個性」とは時間の経過とともに自ずから顕現するものではなく、それを見いだし、磨くという行程を経ないことには、結局の所、宝の持ち腐れに終わ…
○見どころはどこ? 盆栽愛好家がためつすがめつ盆樹を「観察」するのは、一つに日々のケアという側面もありますが、そこには「その樹の見どころ」を見いだすという重要なポイントがあるのです。 全ての樹が教科書通りに仕上がるわけはありません。人も樹もあ…
○観察よりはじめよ 「自分の思った通りにならなかったから、この子供の教育は失敗した。」という嘆きの後に、一切の手立てが中絶されるように、「自分の思い通りにならなかった樹」もまた、棚場の隅で同じ姿のまま水だけやって放置されるというのが、盆栽あ…
○樹との出会い 「この樹をどうしようと思って買ったの?」と問われてへどもどしてしまうようでは、自分の棚場に「どうしようもない樹」ばかりが増えていく一方。愛好家の直観という名の衝動買いは、時に私もまた抗うことのできない魔力を秘めているものです…
三、分かっているのに間違える 私が思うに、もっともタチの悪い「間違い」がこの「分かってたのに間違えちゃった」というものです。巷ではこうした類いの「間違い」を指して「ケアレスミス」と呼ぶことが多いわけですが、正直なところ「ケアレス」に対するケ…
二、無軌道な間違い 「どうして間違ったのか」が一目瞭然である間違いの対極にあるのが、この「無軌道な間違い」であります。つまりは「どうして間違ったのか」学習者も指導者も分からない、計算や論述の過程からその思考回路が一向に見えてこない間違いがこ…
学習者はその学習過程において、まず以て必ず「間違い」ます。一度も転ばずに自転車に乗れるようになるのが珍しいように、未習熟な学習者が学びの道中においてコケることは、当たり前のことなのです。 そんな学習者に対して「間違えるな!」と教える輩はとり…
「大寒(おおさむ)小寒(こさむ)、山から小僧が飛んでくる」。そんなフレーズがつい口をついて出てしまう大寒波が襲来し、テレビでは外へ出るなと言うから家に籠もっていようと思っても、暖房なり何なりで電気と灯油を使わなくてはならない・・・なんとも、厳しい…
一から十までつぶさに指示を出して課題なり何なりを達成させるということは、達成に至る別のプロセスや解法から目を背けさせることでもあるのです。そうなってくると「教えられる以外のこと」に対して可能な限り鈍感であることこそが、寧ろ「優等生」の条件…
学校の先生ごっこと称して、子供が教員と生徒役をかわりばんこに演じているのを見たことがあります。 そこでは決まって教員役の子供が「○○ちゃん、ちゃんとしなさい!」と檄を飛ばしていたり、「ここは、こう! 次にこうやって、こうしなさい!」と、普段言…
○手遅れになる前に 幼児のころにキャパシティを大きくしてやることとは、彼らの頭の中の作業台を大きくしてやることなのです。べつに幼児のうちに方程式が解けるようになれ、というのではなくて、飽くまで学習を受け容れる下地をつくることこそが「幼児教育…
○初動の失敗に学ぶ 自分の盆栽棚を眺めている時、いつまでもうだつの上がらない子供をみている時、私はいつも「ああ、初動が失敗しているなぁ。」という感慨を新たにしています。 盆栽における初動とは、他ならぬ「立ち上がり」というお話しは前回までのとこ…
○大きくなってからでは・・・ 剪った曲げたは盆栽の常であり、時には大胆に鉄棒なんかをあてがって大がかりな改作などが行われるわけですが、やはり「立ち上がり」となるとそうはいきません。 樹が最もよく太って硬くなる部分である「立ち上がり」は二年、三年…
○立ち上がりこそ 盆栽を観賞する際の重要な評価ポイントの一つが「立ち上がり」と呼ばれるものです。 その名の通り、表土から伸び上がって、最初の枝に至るまでの幹模様(幹の様子)を指して「立ち上がり」と呼ぶわけでありますが、ここに曲(ひと曲がり)がある…
〇変わるべきは子供? 近年は、スマートフォン、及びSNSに依存する子供の増加が問題になっているわけですが、現今の家庭「環境」を想像すればそんなのは最早必然のことと言えます。 もし子供をスマートフォン依存から立ち直らせたいのであれば、子供にか…
○「植え替え」に学べ 夏の暑さでヤケてしまった根っこ、新鮮な水を求めて鉢底から飛び出した根っこ、粒子が潰れて目詰まりをおこした土・・・植え替えを行う際には、こうして悪化した鉢環境を徹底的に改善する必要があります。 可能な限り古土を落とし、悪くな…
「発達障害」とは各能力値(パラメーター)のアンバランスであると私は理解しています。健常児と呼ばれる子供より特化した部分もあれば、そうでない部分もある。それを知って、最善の策を講じるためにこそ診断はつくのであって、その子の教育はさらに質の良い…
自分の子供が「ちょっと周りに合わせられないようだ」「自分の手にはどうにも余ってしまう」という焦燥に駆られた親が、思い詰めた末にやってしまうのが「レッテル貼り」という現象であります。 どんな「レッテル」を貼るかと言えば、すぐさま大きな病院のさ…
○与え「られる」環境 「鉢」の環境を整えるように、家庭環境を整えること。 それはまさに教育がはじまる前夜のことなのかもしれませんが、教育の仕事をしていて思い知らされるのは、その子供が生きる土壌の善し悪しであり、ここが根腐れしてしまっていては、…
○土と家庭 「自然状態」の「本来の姿」の子供なんてものが初めから存在しないように、もちろん「自然状態」の盆栽なんてものも存在しないのです。そんなのは、ただの樹であって盆栽ではないのだし、「狼少年」だって狼の規範と環境を与えられて育てられた子…
○よく似たふたり 盆栽が生きるのは鉢の中。 鉢に入れられた樹は、ほしいままに根を伸ばすことも出来なければ、それによってぐんぐん一人で伸び出すこともままならず、ちょっと陽気が好ければ、いつだって水切れの危機と隣り合わせの状態です。鉢に入っている…
互いにベクトルの違う「ゆかしいもの」は、いつかどこかの地点において不意に落ち合うのではないか、というのが私のぼんやりとした実感であります。 たとえ性質の異なる別個の趣味であれ、学問であれ、雑多な読書であれ、それを一個の人間が「ゆかしい」「な…
比較的穏やかな天候とともに、二〇二三年がスタートしましたね。 除雪作業なく年内の教室を終えられたことは、たいへん嬉しいかぎりでした。この調子でそっちの労力を指導の方へもバシバシ注いでいきたいところです。 生徒のみなさんは、どんなお正月を過ご…