かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

私と公文式(30) こんな所に公文式

「私たちが生きる世界の至る所に公文式がある。」なんて言い方をすると、公文の教室がコンビニみたいにいっぱい存在しているように思われてしまうかもしれません。 かつて、創始者である公文公(とおる)が「風呂屋の数ほど教室をつくれ!」と語った逸話はさて…

子宝日記(5) 文士、服を買う。

ボタンダウンのワイシャツ数枚と、スラックス二本とチョッキとカーディガンが一枚ずつあれば事足りるのが、私の普段の格好である。 何度も洗っているうちにワイシャツの襟や袖口がすり切れたり、スラックスの膝が白くなってくると、妻に「そろそろ捨てるべし…

教育雑記帳(40) 手もと九割 後編

教育現場に居合わせる人間だからこそ出来る仕事をしなければ、指導者の立ち位置は将来的にタブレットに場所を明け渡すことになるでしょう。 書かれた答えを見ることは誰にだって出来ますが、その答えが刻まれるまでの「間」に立ち会えることこそが、指導者と…

教育雑記帳(39) 手もと九割 前編

子供の書いたものが百点になったか否か、今日学習する分の課題をみんなこなしたか。 こんなことは、指導者と名の付く人でなくたって、誰にでも出来る確認作業に過ぎません。 世の教育現場に立つすべての人間が、こんな基準で子供の学習の達成度なんてものを…

盆栽百計「石楠花」

私のおばさんが庭の石からワイルドに引っぺがして、そのままビニールに入れて呉れたのが、このシャクナゲである。 「百計」とは言い条、初っ端から見事なまでの私の無策ぶりを露呈するようで、はなはだ気恥ずかしいのであるが、これはこれで「面白い」と思っ…

盆栽百計「序」

樹も塾生も、漫然と付き合ってばかりでは面白くない。 不思議な縁から私のところへやって来た彼らは、日々変化していく。これは文学作品であったり、プラモデルにはない厄介な点であると同時に、最大の面白みでもある。 生きているものを相手にしているから…

塾生心得 訂正の精度 後編

「訂正」とは「学び」のチャンスであります。 だからこそ、正解するよりも訂正することの方がよっぽど難しい。 正解とは正直なところ、実に味気ないものなのかも知れません。クイズ番組を見ていても明らかなように、ピンポーンと正解してポイントが加算され…

塾生心得 訂正の精度 前編

この間、ふとこんな警句が口を突いて出ました。 「間違いを訂正することは、問題を解くことより難しい。」 我ながらなかなかどうして、深い事を申してやったぜ、とひとりして悦に入っていたところ、「え? 先生、これってどこか間違ってます?」と言われて「…

子宝日記(4) 耳を澄ませば

このごろ通う店のレパートリーが一つ増えた。 いつものスーパーに、ホームセンターと本屋とビデオ屋に加えて、『ベビー用品』をひさぐ店に出入りするようになった。 当然のことながら、これまでおよそ縁の無かった店であるが、あと数ヶ月もすれば「必需品」…

定点観測(45) 瞬間最大風速

教室始まって以来もっとも頻りな「お兄さん風」と「お姉さん風」が吹き荒れている。 今まで一人して座らされていたのが、今度の集会所教室では、デカい会議机に二人して座ることになったのが、おそらく事の発端なのだろう。 横をチラチラ、隣は何をする人な…

教育雑記帳(38) 英語のはじめ時 後編

そもそも、こちらの指示や学習のアドバイスすら、ちゃんと伝わっているのだか定かでない段階にある子供に、英語を習わせるなんてことは、愚かしい倒錯に過ぎないのです。 向こうの言葉を覚えるならば、それに対応する母語という基礎がしっかりと出来上がって…

教育雑記帳(37) 英語のはじめ時 前編

このところ、小さい子にやたら英語の勉強をさせる風潮が出てきたのは、英語が小学校に降りてきたせいでありましょう。 国際競争力だか何だか知りませんが、私は国語も覚束ない子供にアルファベットを書かせたり、「ハウアーユー」「アイムファインセンキュー…

盆人漫録(23) そして誰もいなくなった

これは、ひょっとして、孔明のワナかしら。 はるばる同好会ご一行様が到着した「盆栽交換会」会場には、車の一台、人の影すら見当たらない。一応、ここは園芸店であるからして、庭石なり盆栽の数鉢こそあれ、肝心の店主の姿もありません。 鳴子の山を少なか…

盆人漫録(22) 空城の計?

かつて諸葛孔明は、空にした城の楼上に琴を弾き、詰めかけた敵軍をまんまと欺いたそうな。 盆栽愛好家なら知っている専門誌『近代盆栽』には、毎号必ず全国各地の展示会情報が掲載されています。これを頼りに、われわれ愛好家はまだ見ぬ樹と同好の士との出会…

軍隊学校之記(21) これは部活ですか?

今週のお題「わたし○○部でした」 私、「進学研究会」でした。通称「進研」。え? そんなこと聞いてない? いいでしょうが、私だって部活の話がしてみたいのです。 所属している生徒数は、進学コースに在籍する生徒数とイコールであり、主な活動は「主要五科…

子宝日記(3) カラー写真

出てきてからのお楽しみ、というのは最早古い常識なのかも知れない。 それが息子なのか、娘なのか。はたまたどんな顔をしているのか、期待と不安を二つながらに抱えて分娩を待つものなのだろう、なんて思っていたら検診から戻った妻が「カラー写真」を持って…

定点観測(44) ちょっと、社長!

チラッと見たら、椅子にふんぞり返っているヤツがある。 なぜあいつは、あんなにふんぞりかえっているんだ。とガンを飛ばす手前もまた、椅子にふんぞり返って腕組みなんかしているのは、あいつの椅子にも私の椅子にも立派な「背もたれ」がついたためにほかな…

私と公文式(29) 引っ越し顛末録 後編

「集会所」と聞くと、万年ぼっちプレーヤーの私は、一人でクエストを受注して狩りに出発していく、哀しきゲーマーの姿をまず想起してしまいますが、話を本筋に戻しましょう。 「集会所」で公文の教室を開く。 寺子屋式の教育を標榜する公文にとって、地域に…

私と公文式(28) 引っ越し顛末録 前編

このほど、家内とはじめた「公文式ほなみ教室」を引っ越すことと相成りました。 売り家になっているところを、大家さんのご厚意で間借りしていたわけですから、いずれこの時が来るだろうことは、開設当初から分かっていました。 それでもいざ、買い手がつい…

盆・再考 2Dと3D

会の皆で話しているとたまに「盆栽誌に掲載されてくる写真は、やっぱり抽象的だ」という話を聞くことがあります。 樹もまた生き物ですから、雑誌と同じ樹なんてないのは当たり前だけれど、いざそいつをマネて作ってみようとすると「オカシイ、この通りになん…

教育雑記帳(37) 言葉の感度 後編

最近の子供達が、どのように語彙を増やしているのか分かりませんが、やはり現場に出ていると「言葉の感度」が低いな、と感じる子供を見かけることがあります。 まずもって、語彙習得に欠かせないのは、知っている言葉にせよ、そうでない言葉にせよ、それをキ…

教育雑記帳(36) 言葉の感度 前編

CMの台詞、ゲームの横文字、家族の会話。 これらはみな、私の語彙を育てるのに一役買った立役者たちであります。 今の子供達はテレビよりユーチューブで、自分の好きなものだけ選りすぐって観る、という恩恵に浴しているようですが、「テレビっ子」として…

蝸牛随筆(4) バッハを聴きながら

今週のお題「地元自慢」 誰も自慢してはおらぬのだけれど、いや誰も自慢しておらぬからこそ、私がそろぉっと、手を挙げて自慢せねばならぬことがある。ここは、バッハ推しの町なのだ。 わが郷里「加美町」(旧中新田町)は、宮城県北部。仙台から北に車を走ら…

弟子達に与うる記(17) やる気のメソッド

今週のお題「やる気が出ないときの◯◯」 「やる気スイッチ」を見つけてあげたり、押してあげるなんてコマーシャルを耳にしたことがありますが、そんなスイッチはこの世に存在するのでしょうか。 よし、百歩譲ってそんな重宝な(?)スイッチが「存在する」とし…

盆人漫録(21) 語り合い・秋

あんなにいつも、自分の戦車模型を錆びさせたり、わざわざ「古さ」を出そうなんてしているクセに、こんな時に限って舎利のウェザリングを失念するとは、私もまだまだ甘ちゃんであります。 そんなこんな、三日間の展示でお客さんは百数十人。終わりかけた日曜…

盆人漫録(20) 十人十白?

あはれ今年の秋も去ぬめり。秋の展示が無事に千秋楽をむかえると「ああ、今年も終わったなぁ。」という感慨が、つい口の端からこぼれてしまいます。 「いやいや、あなた、まだ二ヶ月あるから」と家内にツッコまれつつ、つらつら思うに、やっぱり今回の展示に…

蝸牛随筆(3) レジの職人芸

そのスーパーに買い物に行くと、必ず選ぶレジがある。 どんなに人が並んでいようと、前の客のカゴが溢れんばかりになっていようと、喜んでそこに並んでしまうレジがある。 そのレジを打っているのは、ササキさんという方で、その手際たるや単に「早い」とい…

塾生心得 国公立を目指す人へ 後編

定期テストではそれなりな点数を取れていたし、その時になってホンキを出せば、国公立大くらい行けると信じている受験生。これは歯が抜けるほど甘い考えであります。 「金に糸目は付けない」という親の勧めで、名の知れた進学塾の門を叩いて、みっちりコース…

塾生心得 国公立を目指す人へ 前編

ちょっと、喩え話をしましょう。 ここに自惚れの強い大工がいます。この大工、とある大金持ちに依頼されて、とにかくデカくてゴージャスな家を建てることになりました。 「金に糸目は付けない」との注文通り、一流の建材を揃えて、さて作業に取りかかったも…

軍隊学校之記(20) 加奈陀旅行記Ⅳ

お前、ホントに外国行ってきたのか? というのは、懐かしい「寅さんのおいちゃん」の台詞。 ええ、行ってきましたとも。何ならアメリカだって遠くから見てきた次第で。 流石はイギリス植民地、女王陛下の名を冠した州都ヴィクトリアより鉛色した海をのぞめば…