かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

教育雑記帳(41) 主語を突き止めろ 前編

 「この子は育ったなぁ」と思えるのは、大人相手にきちんと話が出来るようになった子供であります。

 家の事情で一日分の宿題が出来なかった時、宿題を忘れてきてしまった時、親に言づてを頼まれた時に、「ふにゃふにゃ」言っているばかりで一向に要領を得ないような子は、少なくありません。いや、寧ろ教室に通い始める子の大半がこんな感じと言っても差し支えないでしょう。

 そんな、うまく説明が出来ない子の、説明らしきものを聞いていて特徴的なのが、例の「ふにゃふにゃ」です。大人相手に緊張しているだろうことを割り引いても、どうしてそれは毎日学校で国語を勉強している人間のする説明とは思えないのです。

 それは言うなれば、細切れにされた単語の羅列であり、例えば「宿題」「お母さんが」「お休みで」「次の教室」「宿題」・・・みたいな感じで訥々と語り出された後は、こちら側が気の利いた解釈を提示してやるまで一つ所を低回するのが常なのです。

 いつまでも周りの大人が、そんな不完全な説明をくみ取ってやっても、それが子供のためになるわけがありません。何なら「どれひとつ、この私を納得させてみろ」とばかりにデンと構えて、歴とした説明の言葉が練り上がるまで、腰を据えて待ってみてもよいのですが、如何せん私たちの教室の忙しさの中で、そんな悠長な鍛錬をしているヒマもなく・・・。

 かと言って、これを放置してしまっては「ナニが教育か」と叱責されても返す言葉がありません。だったら、うまく説明が出来る子を育てるには、どうしたらいいのでしょうか。(後編へ続く)

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