かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

塾生心得 一月のお便り

 比較的穏やかな天候とともに、二〇二三年がスタートしましたね。

 除雪作業なく年内の教室を終えられたことは、たいへん嬉しいかぎりでした。この調子でそっちの労力を指導の方へもバシバシ注いでいきたいところです。

 生徒のみなさんは、どんなお正月を過ごしたでしょうか。久し振りに遠くのおじいちゃん、おばあちゃんを訪ねた、という人もあったのではないでしょうか。

 親戚の家で昼間っからお酒を頂戴しながら、まさに余所事のようにコロナ発生のニュースを聞いていた、あのお正月から早三年、マスクで指導にあたることにもすっかり慣れっこになってしまいましたが、やはり教室をしている場面の至る所で、その不自由さを実感させられます。

 初出の問題を見つめる子の表情や、ちょっと難しくて心が折れそうになっている子の表情、ホントに分かってる? というのを判断したい時の表情など、生徒のみなさんの表情の如何は、けっこう指導の中の大事な要素だったりするのです。

 顔が見えない分は必然的に言葉によって補うより他ありません。しかしながら、言葉とは全ての人がイーブンなものではないのです。各人の間でいつも多かれ少なかれ、ズレを孕んでいるのが言葉というもの。だからそこは、お互いの言葉と言葉のチューニングを合わせつつ、そこに意思疎通の回線を構築するのに心を砕いてきた三年間でもありました。

 そして何より、顔を半分隠したまま出会って、さよならをするというのは、何かの縁で出会った人間同士として、やはりさびしい気がします。

 マスクが取れる日は、この日本のお国柄的にまだまだ先のことになりそうですが、今できる最大限の指導を通して、生徒のみなさんの持っているよい芽を育てていきたいと思います。本年も何卒よろしくお願い致します。