かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

些事放談(1) 選挙カー雑感

 市議会議員選挙だか何だかしらないけれど、やたらめったら選挙カーが街中を走リ回っている。よくも衝突したり、対立候補同士で殴り合いの喧嘩にならないものだといつもヘンな感心ばかりさせられる。いや、むしろああして大々的に街中を練り歩くのだったら、出くわした対立候補同士で政策をめぐる激論を闘わせたりしてほしいものであるが、どうせそんな芸当ができる論客はいないのだろう。
 およそ日本の政治家は議論が出来ないのだ。国会答弁しかり、あんなのは子供に見せられない。「聞かれたことには、まず端的に答えるのだよ」と私は子供に教えているのに、その真逆のことを大のオトナが真面目腐った顔してやっているのには心底うんざりさせられる。なるほど、子供がマネしたら大変だから、彼らが学校に行っているお昼をねらってやっているのだろう。これは実にステキな配慮ではないか。
 さりながら、そんなオトナ達が「選挙カー」を乗り回して、何の生産性もない言葉を大音声に垂れ流す風習は何とかならないものだろうか。あれで一体誰を感化したいのだろうか。自分の政治信条や、マニフェストを伝えたいのであれば、選挙新聞であるとか、今のご時世スマートフォンひとつあれば事足りる。それなのにああして自分の名前を連呼することで、一体何に働きかけたいのだろうか。そんなことによって票が動くと考えると、私は空恐ろしくなる。
 そもそも選挙とは自分が信を置ける人物とその言論を推すものであって、宣伝を頑張った者に票を入れるアホの運動会ではなかったはずだ。その点からしてこの国の選挙は倒錯している。
 「ワタクシは、子供達の未来の為に、全力を尽くして頑張りまーす!」と言うのであれば、子供たちが机にかじり付いて勉強する教室の横で、自分の馬鹿さ加減を大声で発表しないがよい。そんな言葉が思いっきり空転していることは、誰よりもこの子供達が知っているのだ。彼らの未来をホントに考えているのだったら、学校だとか吾が学び舎の前をマイクの声粛々と渡ることである。
 少なくとも民主主義を理解しているオトナとして言えることはただひとつ、子供の未来を考えないで目先の利得ばかり追い求める大愚物と「選挙カー」という恥ずべき代物にマイナス一票!