かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

蝸牛随筆(20) 私とブログ Ⅳ

○他者のまなざし

 文章を「ブログ」という媒体に掲載する以上は、誰かに読んでもらって恥ずかしくないものを拵えなければならない。私にとってインターネット上というものは公共の空間であって、そこで全裸に近いようなあられもない言の葉を発表することは、羞恥の極みであると思っている。

 ブログをはじめた当初、「Twitter」というものも妻に勧められてやってはみたけれど、その時々の呟きをぽろりぽろりと零して公に出す営みは、どうも私の性分に合わなかったらしい。結局ひとつ何かをツイートする間に、こうした記事が一本書けてしまうという本末転倒に陥った次第で、およそそういったものに向いていないことが骨身に染みて実感されたわけである。これからの時代の波に呑まれぬよう、私もいま少し「軽み」を手に入れねばならぬということかしら。

 しかしながら、画面の向こうに見知らぬ他者があって、私のものした文章を読んでくださるということは、何とも有り難いことであると同時に、筆を執る際には心持ちのよい緊張を与えてくれるものである。自分で自分のためだけに文章を書き続けることなど、私の性格上どこかで挫けてしまうだろうし、つまらないオナニズムに堕す危険性しかないように思われる。

 そうした点で私にとって常に他者を、読者を意識することは、必要不可欠なセルフチェックであり、文章を書く上での「張り合い」の一つなのである。

 日々のめぐりの中から、腐れ縁である教育との付き合いの中から析出した副産物を「ブログ」という媒体を通して読者諸氏と共有して参る所存である。いつも欠かさずお読み頂いている諸氏には、この場をかりて御礼申し上げる次第である。