かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

育児漫遊録(27) 注射の心得 Ⅱ


 飲むワクチンがあると言う。

 よくよく検めてみたところ、接種予定の五種類のうちの一つが何と『経口投与』と記載されているではないか。飲むのは「ロタワクチン」ということであるが、この「ロタ」は感染すると腹を下すウイルスなのだとか。よりによってスゴイものを経口接種するものである。

 とは言えこれで我が子の「ぶっつり」の回数は一回減ったことになるわけであり、都合四回「ぶっつり」に耐えれば良い。良かったな我が子よ、なんて思う親の安易さよ。

 「五発打つ予定だった注射を、四発にします。良かったですね!」なんて言われても私は全然嬉しくない。寧ろそんなことを言う奴をして「人の気も知らないで」と感傷的な文句を浴びせてしまうおそれがある。

 我が子は注射すら知らないのだ。何も知らない人を知らない所へ連れて行って、しごく痛い思いをさせる。これでは一昔前のテレビでよくあった、タチの悪いドッキリよりもなおヒドい感じがするではないか。

 インターネットで接種予約のボタンを押し込むにあたって、何だか自分がえらく可哀想なことをしているようでいたたまれない。さはれ打たなければよっぽど後世恐ろしかるべきわけで、泣く泣くの四発接種の予約を完了したのであった。