かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

育児漫遊録(26) 注射の心得 Ⅰ

 一体何発打つんだ?

 母子手帳を開いてまず驚いたのを覚えている。見開きに細かな字でびっしり、ありとあらゆる種類の予防接種が並んでいる。「水疱瘡」や「おたふく」「はしか」「BCG」あたりは私もやったり罹ったりした覚えがあるけれど、「ビフ」だとか「ロタ」だとか見知らぬ名前がけっこうある。

 保健師さんがわざわざ訪問してくれた際に、鉛筆で細かな接種スケジュールを書いていってくれたけれど、同時期に三つも四つも接種目安の帯が重複しているということは、まさかそういうことなのかしらん・・・打たれるのは私でないのに、早速気を揉み出した私である。

 一発耐えればそれで終わり。それが私の小さい頃の予防注射であった。しかし我が子は何と、はじめての予防注射において五種類のワクチンを接種することになるらしい。

 一体、どこに打つのだろう?

 風の噂に「両手両足」なんておそろしい言葉を聞いたような気もするが、それはマジなのだろうか。だったら五種類目はどこに打つと言うのだろうか。

 さはれ、予防接種をしないわけにも行かないし、ビフであるとかロタとかいう最早ナゾの病に罹られでもしたら大変である。もともとあった病気なのか、コロナみたいにぽっと出のそれであるのか分からないが、私の子供の時分よりも余っ程用心せねばならぬ病気が増えたのは確かなようである。