ヨーイ、ドンで素晴らしいスタートダッシュを決める必要があるのは、徒競走も、デカの捜査もスプラトゥーンもお勉強も一緒であります。
初動がぽしゃってしまうと、どれもこれもぐだぐだ展開で、終いには迷宮入りしてしまうのは世の常です。
ことお勉強に関しては、初動を誤るとそれが学生と名の付く間中、いや下手をすると一生尾を引くことになりかねません。
確かに、学習の遅れはコツコツ努力することで取り返すことが出来ます。しかし、小さい頃に十分な学習量を確保出来ないと、これが深刻な「キャパ不足」を招くことになるのです。
一日にどれだけ集中して学習課題をこなすことが出来るか、それが私の申すところのキャパシティであります。
例えば未就学の時期から、一日三十枚のプリント課題を毎日こなしてきた幼児と、一日せいぜい十枚かそこらを一日おきくらいのペースでこなした幼児がいたとします。
もちろん学習の進みという点で、前者の幼児はめざましいものがありますが、後者はえっちらおっちら一年、二年遅れぐらいのペースで前者を追いかけることになる。
初めのうちはわずかだった同級生との差は、数年の後に顕著なものになって表れてきます。するとさすがに、遅れを取ったお子さんの親御さんが「ヤバイ」と感じて焦り出すわけですが、こうなってからでは、正直かなりキビシイのです。
この時一番のネックになるのが、何といっても「キャパ不足」。一家総出で子供を机に向かわせようとしても、物で釣ろうとしても、当人は一日の許容量を超えて勉強に集中するなんてことは出来ないのです。
つまるところ、「キャパ不足」の状態ではブーストをかけられないのです。そんな状態が尾を引けば、後には受験勉強にもしっかり影響を及ぼして来ることでしょう。
だからこそ、初動が肝心なのです。幼児のうちからガッツリと許容量を大きくしておくことこそが、将来的に自分で勉強をする時の大きなエンジンとなってゆくのです。
「まだ小さいのに」なんて台詞に耳を貸してはなりません。
本当にその子の将来を思うのならば、「まだ小さい」からこそ、親が隣に寄り添って二人三脚、勉強と遊びの敷居を設けることなく、したたかに学習量を確保するに越したことはないのです。