かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

蝸牛随筆(18) 私とブログ Ⅱ

○毎日一本

 仕方が無いので、毎日パソコンを引っ張り出しては、一本一本と記事をあげるようになった。そうしている度に「おっ、やってるナ」という感じで妻がそんな私を褒める。これでは自主的に宿題をやっている子供を、母親が褒める構図と何ら変わるところがないわけであるが、当の本人、褒められたいいオトナは満更でもないらしく、したりげに「大変だ、大変だ」とこぼしながらも、一日一本記事をあげる日々がはじまった。

 まんまと私は妻の術中にハマったのである。先にも述べた通り、尻を圧されないと始まらない私の性向上、一度始まったものの止め時が分からない。これぞ惰性的人間の見本のようなものであるが、概して歯磨きがそうであるように「やらねば気が済まぬ」というある種の強迫が生まれてしまうと、およそその磁場から抜け出せなくなってしまうのである。

 別に誰が咎めるというはずもないのだけれど、一週間続けたものを急に中断するのもしのびないし、一ヶ月続くと折角続けたものがもったいなくて止められない。それが三月になり半年、気がつけば一年という日数を経て現在に至る。よくもここまで続けたものだ、と一寸自分を褒めてやりたくもある気持ちと、結局のところ強迫の磁場から抜け出せなんだ己の性向とを、複雑な気分でうち眺める自分がある。

 一日一本、今では妻も臨月にさしかかり、流石に忙しくなってきたものだから、仕事の合間に書きためたものを添削したり章立てして、それこそ作り置きのおかずよろしく一週間分の原稿を週末に予約投稿する日々である。