かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

育児漫遊録(17) 上から下から Ⅰ

 甚だ尾籠な話でありまして、お食事中の方々におかれましては、どうかお済みになってからお読み頂きたくお願い申し上げますことには、赤ん坊というもの、のべつまくなしに「上から下から」あれやこれやを出すこと頻りであって、赤ん坊の赤裸々なところを語るなら、どうしてもゲーとピーの話を避けて通ることは出来ないのである。

 親に似たのであろうか、我が子はどうにも胃腸がデリケートに出来ているらしい。産まれて翌日から、早くも記録表には「吐き戻しアリ」の注記が登場し、もはや四ヶ月の声を聞く今になっても油断ならないゲーの奇襲に夫婦ともども打ち震えている次第なのだ。

 ミルクの飲みはよい。調子のよい時などは、猛烈な勢いで規定の量を飲みきり、景気よくゲップをして周りをホッとさせた直後に、関を切ったような返品をお見舞いしてくる。

 もちろん、それは例の「噴水のような」ものではないから、それほど心配はしていないのだが、肌の弱い彼は吐き戻したミルクで簡単にかぶれてしまう。それ故、たとい夜半であろうとビチャビチャになった首元を濡れたガーゼで拭ったり、薬を付け直し、そして下着から全部取り替える羽目になる。

 「このお坊ちゃんは、一日に何度お召し物を取り替えるのかしら」と妻が笑う。当の本人は胃の中がスッキリしたのか、機嫌良く笑みなどを浮かべつつ着せ替えられるがままにされている。やはり「こんな顔」が無いと育児などやっていられないのである。

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