かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

育児漫遊録(19) 上から下から Ⅲ


 あんまり頻繁にゲーゲーしているものだから、流石に心配になって小児科の先生にも相談した。するとこの月齢的には胃袋の構造上仕方の無いところがある、とのこと。これは時間が解決するたぐいのものであるそうだ。

 それはそうと、ゲーよりも寧ろ先生の診断は首元のかぶれ。気がついた折りには随分注意して拭いていたはずなのだが、夜中であるとか我々夫婦のあずかり知らぬところでチョロっと吐き戻されたミルクが、ぷくぷくの肉襞に閉ざされた首元に浸潤して悪さをしていたのである。

 沐浴の際にも教科書通り、極めて忠実に首を洗っているにも拘わらず、我が子の首がこんなになっているとはいさ知らず、ゲーゲーにばかり踊らされていた結果がこれである。少なからざるショックを受けつつ、診察台に転がった我が子の真っ赤っかの首元を眺めていると、何やらやたらにきばっている。

 今度は顔を真っ赤にしてうんうん呻っているので、看護婦さんがアラアラと彼のお腹をさすったり、両の脚を腹側へ圧してマッサージをしてくれる。そういえば「上から」のことにばかり気をとられていたけれど、我が子はけっこう頻繁に下っ腹が張って夜中にサイレンのように泣き出す。

 そういえば今日も一日一度の排便がなく、彼のお腹は「かえるくん」のそれみたいなまん丸、太鼓腹である。おそらくここに、昨夜以来のものが詰まっていて、そろそろいい加減出したい気持ちが募ってきたのであろう。

 とは言え、ここぞとばかりにきばる我が子よ。大噴火はもう直ぐそこに迫っているようだが、ここは飽くまで出先。すまないが、もうちょいとばかしタイミングをずらしておくれかし。