作文の時間(13) 私の好きなこと Ⅰ
今年も恒例の夏の作文教室がはじまりました。
さて本日は集まった子供たちにお題を出して、それについて自由に作文を書いてもらいます。
お題はあえてざっくりと「私の好きなこと/もの」。もちろん対象は何だっていい、ちょっと好きでも大好きでもどっちだっていい、とにかく何も限定しないことで彼らがどんな風に書けるネタをチョイスして、どのような順序でそれについて語っていくのかというところに私の最大の関心はあるのです。
案の定「さあ、どうぞ!」と言われた子供たちの手はピタリと止まって、なかなか動き出そうとしません。ここでうっかり私が早まって一例などを挙げてしまっては元の木阿弥、彼らの書きたいものの方向性を限定してしまって、大半の作文が同系統のオキマリパターンになりかねません。
細心の注意を払いつつ、まずは作文のネタを練るための準備シートに向かう彼らを見守ります。おそらく学校でこんなお題に向き合った経験はないだろうし、ましてやマイ・フェイバリットについて推しについて言語化して作文にすることなど、まさに人生初の試みであった子もいたのではないでしょうか。
ツイッターやインスタでちょろちょろっと、好きなことを発表するなんてことはあっても、それを整序だった作文という形で発表するためには、自分とその対象、及びその関係性についてかなり客観的に考察する必要があり、それはまさしくマニアックな行為であるのかも知れません。
だからこそ「さあ、どうぞ!」とボールを投げかけられるとあたふたして困ってしまう。自分のウチにだけ秘めていたはずの「好き」をいざ文章の形に編み直してみようとすると、二の足を踏んでしまうのでありましょう。
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