かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

自作解題「令和五年度サツキ展」①

●はじめに

 「サツキ展」なのに肝心のものを飾れないのは私の不徳の致すところであり、少し言い訳をさせてもらうならば、妻の腹に子供がある中で庭に殺虫剤を撒くのがちょいとばかし憚られたためであります。だからシンクイムシ達には、ずいぶんと施しをしてやった次第であり、これもまた「功徳」と開き直って、ひとり敢然と小品飾りをさせていただく所存であります。

Ⅰ、飾り棚の部

●ソナレ(磯馴)



 磯に馴れると書いて「ソナレ」。この名前からは、険しい岩場に食らい付き、磯風に揉まれながらも頑強に根付く姿が想起されます。

 見どころは何と言っても、捻転する幹。私のイメージでは幹から覗く枝との一体感をだして、もう一回りコンパクトに輪郭をまとめたいところ。

 「あれ、この樹ってなんだっけ?」と盆栽仲間に問われて「ソナレです。」。そして納得した様子でひと言「ソレナ!」。

●ニレケヤキ(楡欅/アキニレ)

 間際らしいネーミングですが、ケヤキではなくてニレ。見分け方はこの細かな葉っぱとその形状。葉はケヤキよりも小ぶりで光沢があって、ギザギザとした鋸が付いているのが特徴。

 まさに小品盆栽にうってつけのこの樹種、実はホームセンターでもよく売られていて、案外手に入りやすい。あなたのファースト盆栽にいかがでしょうか?
 

●イボタ(トスベリノキ)

 かつてこの木から採れる蝋でもって、戸の滑りをよくしたのだとか。

 盆栽雑誌の頒布で手に入れた際に四幹だったのを、思い切って三幹立ちに。切った幹はそのまま挿し木にして、そちらも現在すくすくと成長中(とにかく挿し木の活着率が高い)。

 それぞれの幹の持ち味、枝のバランスを活かしつつ、まさに三本で一本の樹を目指して目下培養中であります。