部活動を完全に外部化して、学校教育から切り離すべし!
いま教育現場が求めているのは、小手先の働き方改革ではなくて、こびり付いた悪弊を見直す構造的な改革なのです。
毎日六時間目まで、ほぼフルコマの授業を終え、一息つく間もなくブカツがはじまる。顧問の教員は自分の仕事や、明日の授業準備も後回しにして、そっちへ張り付かなければなりません。
ブカツが終わって午後六時、彼らがようやく自分の仕事に専念できるのはそれから。しかし、よくよく考えてみれば、すでに午後五時の勤務解除時刻も過ぎて、残業タイムに突入してしまっているのです。
指導案を練るのも、成績を付けるのも、メンドウな学校行事の準備をするのも、すべてが残業タイムになってしまう構造的な問題がここにあるのです。
しかも、そんな毎月百時間を軽く超えるのが当たり前な残業には、一切残業手当が付かないのです。全国の教員にきちんと残業代を出したら、きっと国の財政がぐらつくことでしょう。
最近では中学生だって「教員って、ブラックっすよね」なんてことを言うようになりました。さすがは、土日もブカツに駆り出される教員の姿を、一番近くで目の当たりにしているだけのことはあります。
学校の先生に求めるもの、それはプロスポーツ選手を育成する能力でしょうか。
そんなことは、学校の外で然るべきコーチに頼むことです。
教員は素敵な授業をしてナンボ。そのためには、適正な勤務時間内で最低限度の仕事を終えられる環境作りが必須なのです。
では、その環境を作るためにはどうすればよいのでしょう?
答えは簡単です。教員の肩から部活動という重荷を外せばよいのです。そして部活動そのものを一端廃止してしまって、スポーツ少年団など外部のスポーツクラブ化してしまえばよいのです。
そうすることによって、従来通り部活動をガンガンやりたい生徒は、自らの意志決定のもと、学校の外で各々の活動に取り組むようになるでしょう。
また、今まで部活動に拘束されていた生徒は、勉強に専念するなり、塾に通うなり、自分の趣味を深めるなり、自分の時間を柔軟に使うことを考えられるでしょう。
部活動はあくまで選択肢の一つとして、義務などではなく、好きな人が好きなクラブに所属すれば、それでいいではありませんか。いま盛んと謳われている多様性を認めることとは、そういうことであるはずです。
生徒のために、そして彼らの良き理解者たるべき教員のためにも、部活動には一度学校の外へ退場してもらうことが求められているのです。