かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

塾生心得「それって、オフライン?」前編

 通分の習い始めは、まず約分の逆をするところから。今まで分子と分母を同じ数で割っていたのを、今度は分子と分母に同じ数をかける操作が必要になるわけです。

 「約分の逆だ」とすぐに気づく子はきっと、何だよこの間までせっかく約分して小さくしてきたのによぉ、と心の中でうそぶくのでしょうが、そうでない子にとって、これはまるで約分とは関係ない別個の計算になるのです。

 こうなってくると、各人の進みには大きな開きが出てきます。「この間は割ってたのを、かければイイんでしょ♪」の子は、ゲームの上手な人のように新しいゲームやステージに挑んでも、ちょっとチューニングをかえるだけで、すんなり対応出来てしまうのに対し、「また新しい計算を覚えなければ・・・」と途方に暮れる子は、もう既にあれだけ練習した約分すら覚束なくなっている始末です。

 応用が利くか利かないか。この違いは習得済みの知識を使いこなせているか否か、に関わっているのです。一つのゲームに熟達した人が、同系統のゲームにおいてもすぐに本領を発揮できるのは、先のゲームで習得した操作やコツを、次のゲームにちゃんと応用しているからに外なりません。

 応用が出来ない状態とは、基礎的な部分の理解が線で繋がらずに、いまだ点で留まっている状態と言えます。それは言うなれば習得した知識が細かく仕切られた引き出しにしまい込まれているようなものです。

 「足し算は足し算」「約分は約分」「通分は通分」・・・と完全に区分けが成されて厳重にしまい込まれているものだから、いざそれを別の学習に活かそうにも「どこへしまったか分からない」ということになってしまうのです。これでは覚えることばかり増えて、そのバックアップを取ることすら困難になってきてしまいます。

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