かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

盆人漫録(32) 同好会のイジ

 さぁ、大変です。

 今年もやってきた「令和五年度サツキ展」に、私が出すサツキが無いのは毎度のことながら、そんなことよりも大変な事態がわれわれ同好会を見舞ったのであります。

 それは深刻な人手不足。不慮のアクシデントによって、会場設営や展示準備を行う実働部隊が去年よりも一人減り、二人減り何と今年はたったの五人で全ての作業をする(せねばならない)運びとなったのです。

 あれはもう七年も昔。私がここに入った頃は会員総出、実働部隊は優に十人を越しており、わいわい賑やかに「ああでもない、こうでもない」と作業して、昼は近場でみんなしてラーメンを食べたものでした。午後もまた大量のサツキ鉢を軽トラの荷台に満載して、一往復、二往復と町中の会員の家を練り歩き、夕方頃には立錐の余地もないくらいに花々が会場に犇めいていたものでした。

 さて、それからコロナの時代を経て、展示会場に集まった同好会メンバーは少数精鋭。そろそろこの人数での準備にも熟達しはじめ(人間の適応能力はスゴイ!)、段取りだって全員が心得ているものだから頼もしい。新しく入会したメンバーも適確に作業を手伝いつつ、早くも勘どころを覚えて一役も二役も買っています。



 かくして今年の展示準備は何と、午前中で終わってしまったのだから驚きでした。これぞわが古川盆栽同好会の意地であります。流石に展示する鉢数は減ったけれど、クオリティーだって決して落ちてはいないはず。寧ろぎゅう詰めに展示していた頃よりも、程よいスペースが空いて、一つひとつの鉢と花を愉しめるゆとりも出来ました。

 さて、次なるは会場に見に来てくれたお客さんから新規会員を募り、同好会を存続せなばなりますまい。さもなくば三十年後、私は誰と会場を準備すればよいのやら・・・まさしく同好会の遺児とならぬために、意地でもこの会を維持してさらなる活性化をはかって参る所存であります。