かたつむり学舎のぶろぐ

本業か趣味か、いづれもござれ。教育、盆栽、文学、時々「私塾かたつむり学舎」のご紹介。

作文の時間

作文の時間(17) 読書感想文はムズイ? 後編

自分の〈読み〉を展開することとは、作品に新たな息吹を与える、謂わば二次創作的な色合いさへもつものであります。 ありきたりな「読書感想文」に散見される「すごかった」「びっくりした」「おもしろかった」も結局、何がどのような点で超越していたところ…

作文の時間(16) 読書感想文はムズイ? 前編

さて、「読書感想文」とは何でしょうか。 よくよく考えてみると、どこからどこまでが読書感想文と呼べるものなのか、私にはよく分からなくなってくるのです。 タイトルは『「ナントカ」を読んで』という感じで、その本を選んだ経緯やあらすじからはじまって…

作文の時間(12) 無段落ボーイのエチュード

作文教室を受講している子達の中で、毎年決まって現れるタイプに「無段落ボーイ&ガール」というのがあります。 もちろんわざとやっているわけではなくて、本人はいたって大真面目。お話の流れにのって、最後のオチまでたゆむことなく前進を続け、ふと振り向…

作文の時間(10) 比喩でつかまえて

前回申したように「比喩」とは、ある対象を表現する際に、余所からイメージを引っ張ってくる手法です。 それはあたかも化学変化のように、普段同居したことのない言葉と言葉が出会って、予想外の効果を生むことだってあるのです。一流の詩人は一流のスナイパ…

作文の時間(8) もっとフォーカスして

どうやったら、ウチの子に作文を書かせられるかしら…そんなお悩みをお持ちのお父さん、お母さんへ。

作文の時間(7) こんなのどうかな?

作文は「マネ」をすることで上手くなります。 いや、「マネ」をしないことには、上手くなるわけがないのです。 好きな絵本の語り口、どこかで聞いた言い回し、気に入った文章、これらはどんな教科書よりも雄弁に作文のいろはを教えてくれます。 以前お話しし…

作文の時間(5) アウトプット賛歌 前編

国語という教科において、「作文」は限りなく異質なものだと私は思うのです。 普段の国語の授業といえば、テキストを読んで登場人物の心境の変化を追ったり、作者の論理展開を整理したりという作業を通して、文章を正確に読解する術を学びます。この点で読解…

作文の時間(4) ウソつきのメソッド

1.ウソをついてもイイですか? 私たちは嘘を付いてはいけない、と教えられて育ちます。そりゃそうです。子供たちが学校で嘘のスキルばかり磨いた日には、将来何を信じてよいのだか分からない世の中が到来して、猛烈な社会不安の嵐が吹き荒れることでしょう…

作文の時間(3) 見切り発車でイイですか?

1.なぜ書けなくなるのか 「見る前に飛べ」というタイトルの小説がありますが、作文を書くにあたってけっこう多いのがこのタイプ。そんな子に限って、説明も途中に「もう書いてイイの?」なんて、やたら意気込んでいる。だから、それならひとつやってみろと…

作文の時間(2) 記憶がないってホントですか?

以前、わが私塾の作文教室で子供たちに、最近行ってきたという「遠足の思い出」を一つ選んで書くよう注文したところ、案の定大半の子たちが例のテンプレ的な無味乾燥レポートを提出してきました。そこでもっと、どれか一つのエピソードを膨らまして「コレだ…

作文の時間(1) 作文はキライですか?

生徒諸君、作文は好きですか? 私は昔、作文がキライでありました。それはなぜかと申しますと、ひとえにツマンナかったからに外なりません。 では、どうしてツマンナイのでしょうか。それはたぶん、みなさんが原稿用紙をしかつめらしいテンプレ文型で埋めな…